韓国の財団解散に「責任ある対応を」と安倍総理

2018年11月22日 05:58

 韓国・朴槿恵(パククネ)大統領時代の2015年12月に日韓政府の間で慰安婦問題の最終的不可逆的解決として合意し、日本が10億円を拠出し、これにより韓国政府が元慰安婦被害者や被害者遺族のために取り組むために設立した「和解・癒やし財団」を韓国政府は21日、解散すると発表した。

 財団から元慰安婦被害者と死亡している被害者の遺族に対し、これまでに財団を通して日本円で4億4000万円が支給されているが、「被害者中心主義」の色を出してきた文在寅(ムン・ジェイン)政権の発足で韓国国内にあった日韓合意反対勢力の声が一層強まり、日韓合意案件を韓国政府が再度検証。結果として、韓国政府は日本拠出の10億円を自国費用と置き換えたうえで、日韓関係悪化を懸念しながらも財団解散を決めた。

 安倍晋三総理は韓国政府の発表を受け、同日「3年前の日韓合意は最終的かつ不可逆的な解決であり、日本は国際社会の一員としてこの約束を誠実に履行してきた」とするとともに「国際約束が守られないのであれば、国と国との関係が成り立たなくなってしまう。韓国には国際社会の一員として責任ある対応を望みたい」とコメントした。文大統領にとっては未来志向の日韓関係と国内の慰安婦問題に絡む世論との板挟みで苦しい立場に追い込まれている。(編集担当:森高龍二)