注目を集める発酵商品、ノンアルコール甘酒

2012年01月16日 11:00

 お正月の代表的な飲み物として、神社等でもよく振舞われる甘酒。日本の伝統的な甘味飲料の一種で、見た目はどぶろく(濁酒)に似ている白濁液である。古くは「一夜酒(ひとよざけ)」または「醴酒(こさけ、こざけ)」と呼ばれており、日本酒と同様に米麹を使い、発酵させ、でんぷんを糖化させることで甘みを得ているのが特徴だ。また、麹に由来する食物繊維とオリゴ糖が腸内環境を整えるので、便秘や肌荒れなどを予防・改善し、体を内側からキレイにする飲み物としても注目を集めている。

 この甘酒は、寒い季節に身体の芯から温める飲み物として、昔から冬に好んで飲まれる傾向にあったが、昨今は特に飲酒運転に繋がることから、飲む機会が減少していたようだ。

 そのような中、ノンアルコールの甘酒が注目を集めている。山田養蜂場は自然豊かな地元、岡山県鏡野町で、蜜源でもある「れんげ」を鋤き込み、天然の肥料として育てた「れんげ米」を使用して造った甘酒を季節限定で販売。れんげ米と水のみを使い、お米を発酵・糖化させる昔ながらの製法で造ることで、お米本来の自然な甘みと、適度に残ったお米の食感が楽しめる。また、阿蘇で80余年、味噌づくりを行っているエビス味噌本舗は、国産米の米こうじ、米、でんぷん(国産じゃがいも)のみでつくった甘酒をフリーズドライにし「おちちあまざけ」として発売。赤ちゃんの離乳食として人気が高い。さらに金沢の福光屋は酒蔵に湧き出る百年水と、有機肥料使用契約栽培米で仕込んだ「酒蔵仕込み 純米甘酒」を、佐渡島の天領盃酒造は「蔵元のあまざけ」を発売している。

 発酵商品は美容や健康を補助するものとして、ここ数年、支持を得ているが、ノンアルコールの甘酒は、甘味料も砂糖も使用しないことが多く、今後もますます注目されることが予測される。まずは正月に少し食べ過ぎて疲れた胃をいたわる、そんなスムーズな栄養補給として甘酒を試してみるのも面白い。