12月といえばクリスマス。キリスト教を信仰する国、地域はもちろん、日本でも盛大に祝われており、年の瀬を明るく楽しく笑顔で過ごす人も多いだろう。厳格なカトリック教徒の方にとっては、この日は厳かにお祈りを捧げる日だが、日本の子どもたちにとっては、サンタがプレゼントを運んでくれる日。若者にとっては、恋人や友人と過ごす日だったりする。そして、その経済効果は7000億円規模にのぼる。桁が大きくてピンとこないかもしれないが、この額は2020年に開催予定の東京オリンピックの当初予算と同等額といえばどうだろう。今や、クリスマスは日本経済にとっても一大イベントなのだ。
そんなクリスマスムードを一層盛り上げてくれるのがイルミネーションだ。11月半ばくらいになると、町のあちこちで美しいイルミネーションが点灯し始め、クリスマスをピークに輝きを増してくる。近年では、商業施設などだけでなく、自宅の庭やベランダなどでもクリスマスのイルミネーションを楽しむ人が多くなった。その立役者は、何といってもLEDの発展だ。
LED製品は、当時、日亜化学工業に在籍していた電子工学者の中村修二氏が、世界に先駆けて実用に供するレベルの高輝度青色発光ダイオードを発明、開発し、その量産技術が確立されたのをきっかけに普及が加速。2010年頃から一般家庭にも急速に浸透し始め、今や電球や照明器具のほとんどがLED化しつつある。政府も2010年に閣議決定した「新成長戦略」において、LED照明や有機EL照明などの高効率次世代照明の使用を2030年までにストックで100%普及させる目標を掲げており、日本の照明はLED一色に染まりつつある。
LEDの利点は、何といっても「省エネ」と「長寿命」。パナソニックエコソリューションズが発行しているカタログ資料によるとLED照明は白熱灯と比べて電気代で約8分の1、通常の使用で約20倍長持ちするという。その上、「色や明るさが変えられる」などの利点もあるため、煌びやかなイルミネーションにはもってこいというわけだ。
そんなLEDイルミネーションは今年も全国700か所以上で行われている。神戸のルミナリエや、6年連続で日本一のイルミネーションに輝いている長崎のハウステンボスなど、有名なイルミネーションは全国にあるが、注目したいのは京都の半導体メーカーロームが、本社周辺で開催しているイルミネーションだ。20回目を迎える今年も、11 月22 日(木)から12 月25 日(火)までの約1 ヵ月間にわたって実施しており、京都市最大級となる86万球のLEDで古都の夜を幻想的に照らし出し、地元京都の人をはじめ、多くの観光客などを楽しませている。
ロームのイルミネーションに注目する理由は、ロームがLEDの生産メーカー、つまりプロだからだ。
イルミネーションで使用されているLEDも、もちろんローム製。球数や規模はルミナリエやハウステンボスに及ばなくても、LEDの特性を知り尽くした会社が仕掛けるイルミネーションが美しくないわけがない。
ロームは、1973年にランプLEDを生産して以来、45年にわたって業界に先駆けた製品開発を行ってきた。イルミネーションにも欠かせないローム製LED最大の強みは、徹底した品質管理と、素子を製造する段階から作りこみを行う一貫生産体制にある。これにより、独自の製品開発が行え、また、信頼性の高い製品を提供することができるのだ。同社のLEDは日本の主要産業である自動車のメーターや産業機器などにも使用されており、まさに日本の未来を照らす明かりというわけだ。
全国のイルミネーションはクリスマスの夜、最高潮に盛り上がる。家族や友人、恋人などと楽しんではいかがだろうか。(編集担当:石井絢子)