クリスマス商戦、いよいよ大詰め。今年のサンタの袋の中身は?

2017年12月23日 12:45

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2018年のクリスマス商戦もいよいよ大詰め。子どもたちはどんなプレゼントを今年はもらえるのか

 2018年のクリスマス商戦もいよいよ大詰め。リターゲティング広告サービスなどを提供するCriteo(クリテオ)は「年末商戦トレンドレポート2017」を発表し、日本における年末のショッピング傾向やユーザーの動向などを分析している。それによると2016年12月度の売上は、コンピューターソフトウェア、生花、ギフト、フレグランスなどの商品において10月比で最大22%の増加。12月のサイト訪問数は10月と比較して15%増にのぼる。また、ネットショッピングによるクリスマス商戦は12月第一週の週末からクリスマス直前の週末にかけてピークを迎え、年末に近づくほどモバイルを介した取引の増加傾向がみられるという。このことから、ユーザーは休暇に入るとスマホなどのモバイルでショッピングする機会が増えると推測している。

 中でも、クリスマスを含む年末年始シーズンの売り上げが年間売上高の4割以上を占めるといわれる玩具業界はとくに過熱している。

 今年はとくに、大幅な回復を見せている国内家庭用ゲーム市場が注目されている。

 ゲーム総合情報メディア「ファミ通」の調査によると、2017年上半期の国内家庭用ゲーム市場規模はハードとソフト合計で1512億円。前年同期比39.9パーセント増で、5年振りに昨対比プラスに転じたと報じている。しかもゲーム機だけをみてみると、89.6パーセント増の765億円となっており、なんと9割近い増加となっている。

 これに大きく貢献しているのが、任天堂が3月に発売して、今なお量販店でも品切れが続くほどの大ヒットを飛ばしている新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」だ。スイッチはその名が示すとおり、家庭用の据え置き型ゲーム機でありながら、液晶画面がついていることで本体を取り外して、ニンテンドーDSなどのように「携帯型」として屋外で楽しむこともできる。その斬新なハード設定と、「ゼルダの伝説」など人気タイトルのソフトを発売当初からラインナップするなど、ハードとソフトを上手く連携した販売戦略が功を奏したようだ。

 任天堂は自社ではなく、部品や製品組み立てをすべて外部企業に委託しているだけに、ニンテンドースイッチの好調は取引先とみられる関連企業にも恩恵を与えている。

 例えば、電子部品大手のロームは、2017年11月2日の決算説明会で18年3月期上半期売り上げ増減の主な要因として、ゲーム機新機種への売上拡大をあげており、前年比プラス69億円としている。同社は、産機分野やエアコンなど白物家電へパワーデバイス、車載インフォティメント分野でも大きく業績を伸ばしており、事業全体で前年比プラス286億円となっているが、その内の25%近くをゲーム機関連が占めていることになる。

 また、コネクタ、ジャック、スイッチ、電磁弁等の製造を手掛けるホシデンも対前年同期比2.5倍の売り上げを公表しており、これもニンテンドースイッチの影響によるものとみられる。

 ニンテンドースイッチの他にも、11月17日に発売されるや否や、わずか3日間で120万本を売り上げた「ニンテンドー3DS」向けの新作ゲームソフト、「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」や、息の長い人気を誇る据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」も好調で、ゲーム業界は久しぶりの活況を見せている。
 
 今年のサンタの袋の中は、ゲーム機で大きく膨らみそうだ。(編集担当:藤原伊織)