韓国の大法院(最高裁)は日韓両国政府が締結している「日韓軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)に関する会議録や内部での検討文書の公開を韓国の市民団体が求めていた裁判で28日までに「情報公開は不可能」とした二審判決を支持、原告の上告を退けた。
韓国の市民団体が外交部長官を相手取り、情報公開請求に対して不開示とした決定を不服として決定の取り消しを求めていた。大法院は「協定の情報が公開されれば、協定に関連する韓国の対応戦略や日本側の立場に関する内容が公開され、今後、(別の)相手国が交渉情報として活用する余地が十分あり、日韓の外交的な信頼関係に深刻な打撃を与えかねない」と判断した。聯合ニュースが伝えた。
GSOMIAは北朝鮮の核・ミサイル問題が深刻な状況にあったことから当時の稲田朋美防衛大臣の時、「韓日関係や国防・外交の側面で実益があり、北の非核化や平和定着の過程で韓日間の戦略的な意思疎通が必要」と韓国側も判断したことから交渉がすすみ、2016年11月23日に締結、即日発効した。効力は1年で、いずれかから協定失効前90日前に更新しない旨を書面で通告しない限り自動的に延長されていくことになっている。(編集担当:森高龍二)