全世代型は高齢者福祉削減の意味ではないと総理

2019年01月29日 10:40

 安倍晋三総理は第198回国会での施政方針演説で社会保障を全世代型に転換すると改めて強調。高齢者福祉の後退だとの批判を意識してか「全世代型社会保障への転換とは、高齢者の皆さんへの福祉サービスを削減するとの意味では全くない」と語るとともに「高齢者の皆さんに引き続き安心してもらえることが大前提だ」と演説した。

 安倍総理は「65歳以上の皆さんにも御負担を頂いている介護保険料について、年金収入が少ない方々を対象に10月から負担額を3分の2に軽減する。年金生活者の方々に、新たに福祉給付金を年間最大6万円支給し、所得をしっかり確保していく」と述べた。

 また、10月からの消費税10%への引き上げについて「8%への引き上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期す」とし「増税分の5分の4を借金返しに充てていた消費税の使い道を見直し、2兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元する。軽減税率を導入するほか、プレミアム商品券の発行を通じて、所得の低い皆さんなどの負担を軽減する」と理解を求めた。

 安倍総理は「社会保障改革と同時に、その負担を次の世代へと先送りすることのないよう、2025年度のプライマリーバランス黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進める」とも述べたが、黒字化の目標年次はすでに先送りの状態になっている。国会での大きな争点になりそう。(編集担当:森高龍二)