もう既にAI、IoTの時代ははじまっている。様々な分野でAI、IoT技術が適用され、消費レベルの実用で用いられている。マスメディアで語られるこれらに関する事の多くは人々の仕事がロボットに奪われるなど不安を煽るもののほうが多いように感じる。しかし、様々な統計を見てみると日本人はAIに関し一定の不安を感じているものの期待度の方がはるかに高く、日本人は世界一AIに親和的であるとも言える。
NTTコム・オンライン・マーケティング・ソリューションが東京大学、東京理科大学と共同で自社の運営するサイトのモニター等を対象に、AIを搭載した自動運転車やIoT活用商品等に関する消費者態度について米国、英国、スウェーデンと日本を比較調査し、その結果を10日に公表している。
調査結果によると、AI搭載の自動運転車の認知度については日本は78%、英国が74%、米国が72%、スウェーデンが88%といずれの国も7割を越えている。一方、IoT活用商品の認知度は日本が68%であるのに対し英国が41%、米国は46%、スウェーデン37%と半数以下で日本のみが7割近くと高い割合になっている。
AI自動運転車に関する期待度とその内容をみると、いずれの内容でも日本での「期待する」の割合が他国より多くなっており、特に「高齢者・障がい者の移動支援」では「非常に期待する」が24.6%、「期待する」が25.4%、「ある程度期待する」27.6%で、合計すると77.6%と約8割が「期待する」と応えており、次ぐスェーデンの70%を大きく離している。
日本人が期待する内容としては「重大事故の減少」が8割近くと多くなっている一方で、安全性に対しては強い不安もあるようだ。「AIによる自動運転車が普及し事故発生率が減ったら任意保険加入をやめるか」という問いに対しては、「やめると思う」は1.9%、「たぶんやめると思う」が2.4%で、両者合わせて4.3%の者しか「やめると思う」と回答しておらず、これは他の3国と比べて著しく低い値となっている。
レポートでは、これらのデータから「どの国でも新技術の導入に対し発生し得る諸リスクに対する懸念・不安感が強い」が、特に「日本の消費者が商品の安全性に対し抱く不安感は全般的に他の3カ国より強いことが確認できた」としている。(編集担当:久保田雄城)