電通では消費増税に対する意識調査を全国の20歳から69歳を対象にして行った。消費増税の認知度は8割以上。増税前の買い置き、支出の見直しの他、ポイント還元可能な店でのキャッシュレス決済の意識などが高まっていると判明。
消費税が10%へ増税されるのは2019年10月からだが、消費増税についてはすでに全国の80.7%の人が認知している。これは電通が18年12月21日から25日までの5日間をかけ、全国の20歳から69歳の男女10,000人を対象に実施した意識調査によって判明した割合である。電通が前回同じ調査を行ったのは13年6月のこと。5%から8%へ消費税が上がった時だ。その際の消費増税認知度が62.3%だったのに対し、今回の調査では18.4ポイントの増加となった。
消費税は言うまでもなく国民の生活に直結する税金である。消費税が上がる事そのものには賛成意見もあれば反対意見もあるが、賛成でも反対でも消費増税を認知している国民それぞれに様々な意識があるのは事実だろう。ある人は消費税が上がってしまう前に日用品を買い込んでおく事を検討し、またある人は今までの支出を見直してみるなど、2%分の増税によってあらゆる模索がなされている。実際に電通の調査によれば、増税前の物品購入意欲が67.1%の人に見られた。中でも買い置き対象として顕著なのはシャンプーや洗剤などの日用品である。またこの他、ゲーム課金や有料アプリなど、我慢する事によって支出を抑える事が可能な娯楽サービスは支払いが見直されやすい傾向にある事も分かった。
物品の買い置きや消費の見直しなどは、支出を抑えたいと考える多くの人が最初に実行する、あるいは検討する手段となるだろう。しかし19年10月の消費増税でもう一つ顕著なのは、キャッシュレス決済の利用に関する意識の高まりである。
増税によって消費が落ち込む事を防ぐため、今回の消費増税ではキャッシュレス決済によるポイント還元が行われるとされている。中小規模の小売店等、ポイント還元が受けられる店や対象には限定があるものの、還元が可能となるケースでのキャッシュレス決済には意欲が高まっている。調査対象となった世代の中でこの意識が特に目立ったのは60歳から69歳であり、ポイント還元を期待したキャッシュレス決済への意欲はシニア層ほど高かった。ポイント還元に関する批判やそれに近い意見も多いが、消費増税以降にキャッシュレス決済の利用は増加すると予測されている。(変種担当:久保田雄城)