軽減税率、ポイント還元策は「無策に続く愚策」

2018年11月20日 06:20

野田佳彦元総理は19日までにブログで、来年10月の消費税引き上げに伴い導入される予定の軽減税率について「導入すれば1兆円の減収を招く」と指摘し「社会保障に必要な財源が確保できなくなる」としたうえで「貯蓄の少ない低所得者が失業したり、病気になった場合、医療・介護・保育・障害に関する過重な自己負担を軽減する『総合合算制度』は見送られた」と問題を指摘した。野田元総理は「社会保障の充実・安定のために消費税を充てるという精神からは本末転倒」と政府・与党の対応を批判した。

 また「軽減税率で恩恵を受ける87.5%は低所得者以外だ」とし「格差是正効果がない。むしろ、高級おせち料理や霜降りの和牛を買うような高所得者のほうが得をする」とも。

 野田元総理は「軽減税率は事業者、特に中小企業・零細企業に大きな負担ばかりがかかる」とし「税率が2本立てになれば帳簿も複雑になる。取引ごとに適用税率や税額を記したインボイス(明細書)も不可欠になる」とその理由をあげた。

 さらに「キャッシュレス決済でのポイント還元策」の導入があれば「軽減税率対象品目にも導入するようだが、店頭では10%、8%、そして例えば6%という税率が混在することになる。そもそも、高齢者や子どもはカードで買い物しないでしょう。消費税は『毎日が納税日』ですが、毎日現場が混乱するのではないか」と「無策に続く愚策」と見直しを提起している。(編集担当:森高龍二)