「原発」の在り方には一言も触れず 総理式辞

2019年03月13日 06:33

 安倍晋三総理は11日都内で催された東日本大震災8年追葬式で式辞を述べた。この中で、原発事故について「大きな被害を受けた福島の被災地域では帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、本格的な復興・再生に向けて生活環境の整備が進むとともに、帰還困難区域においても特定復興再生拠点の整備が始まり、避難指示の解除に向けた取り組みが動き出している」と述べたが、これだけ甚大な被害が今も続く「原発」そのものの在り方については一言も触れずに終わった。

 総理は「いまだ1万4千人の皆さんが仮設住宅での避難生活を強いられるなど、長期にわたって不自由な生活を送られています。原子力災害被災地域においては、帰還に向けた生活環境の整備や産業・生業の再生支援などを着実に進めてまいります」と述べるにとどまった。

 いわば原発事故被害者への対応については語ったものの、原発政策では被害者の心情に寄り添うことはなかったようだ。(編集担当:森高龍二)