総務省は14日、6月の「ふるさと納税」新制度を前に、基準にそぐわない豪華な返礼品を送ったことなどを理由として大阪府泉佐野市など4自治体を税優遇対象から除外することを正式に発表した。9月からは「礼品の返礼割合を3割以下、地場産品のみ」という規制も導入される予定だ。国は以前より過度な返礼品競争が加熱していることを問題視してきており、その歯止めを行うことが今回の規制導入の目的だ。
これに関連し旅行代理店のエアトリが20~70代の男女685名を対象に「ふるさと納税」に関するインターネット調査を4月下旬に実施、その集計結果を13日に公表した。調査結果によれば、「ふるさと納税を行ったことはあるか」という質問に対して、「ある」と答えた者の割合が20・30代ではともに44.4%、40代では42.1%、50代が35.7%、60代以降では28.4%となっている。
「ある」と答えた者に対して「納税先はどうやって決めたか」と質問した結果では、「返礼品」が82.4%と断トツで多く、次いで「還元率の高さ」が28.3%、「好きな場所」が20.2%、「税金の使い道に共感」が15.5%、「故郷」が10.9%、「復興支援」が3.3%となっており、やはり「返礼品」が納税先を決める最も重要な理由になっているようだ。
「返礼品に規制がかかることを知っているか」という質問に対しては、「知っている」と答えた者の割合は81.8%でほとんどの者が規制の導入について知っているようだ。「礼品の返礼割合を3割以下、地場産品のみ」という規制の内容についてどう思うかという問いに対しては、「賛成」と答えた者が29.3%、「反対」は5.4%、「どちらとも言えない」が65.3%と最も多い結果になった。
「どちらとも言えない」と答えた者の具体的な意見としては「規制は理解できるけど、還元率の高い商品をもらえた方が嬉しい」などという意見も見られる。規制に「賛成」した者の意見としては、「長期的に過剰な競争や返礼品エスカレートで消耗するのは良くない」、「地域振興戦略のひとつとして地場の魅力やコンテンツを伝えるものを発信したほうが良い」となっており、一方「反対」と答えた者では「地方の努力を無にする」、「地方の判断を尊重すべき」、「地場産品も地域間で格差がある」などといった意見が見られる。
「そもそもふるさと納税の仕組みが理解できない」という意見が多く見られ、国や自治体の「ふるさと納税」の制度に関する十分な広報も必要なようだ。(編集担当:久保田雄城)