動画広告と言えば、これまではテレビCMが中心であった。しかし、現代ではYouTubeなどの動画サイトも多数存在し、テレビ以外の媒体で動画広告を目にする機会も多くなった。その他の広告媒体に比べ動画広告では多くのコストがかかるのは誰でも想像がつくであろう。しかし様々な技術・サービスの進歩により動画広告を利用する企業が増加しているらしい。
統計コンサルタントのサイカが企業の広告担当者約200名を対象に「動画広告の活用実態アンケート調査」を実施、5月23日にその結果をレポートとしてまとめ公表した。
レポートによれば「過去1年間で動画広告への投資割合はどのように変化したか」という質問に対して、「割合が増加した」と答えた担当者は42.1%で最も多く、次いで「前年と同程度」が37.4%、「減少した」が3.3%、「動画広告には投資していない」が17.3%で、8割以上の企業で既に動画を広告媒体として活用しているようだ。
「今後1年の動画広告への投資の見込み」について聞いた結果では、「割合は増加して行く見込み」が48.6%と半数を占め最も多く、次いで「直近1年と同程度の見込み」が36.0%、「減少の見込み」が2.3%となっており、今後動画広告への投資の割合は増加傾向で推移しそうだ。
「動画広告に期待する効果」については、「製品・サービスのブランド価値の向上」が43.3%と4割を超え最も多く、次いで「製品・サービスの認知向上」が約4割の38.5%、「製品・サービスの購買促進」が17.6%となっており、直接商品・サービスの購買へ結びつけるよりは長期的視点から製品・サービスのイメージ・認知の向上を狙いとしているようだ。
動画広告を選択する理由については「テキストや静止画像の広告よりも投資対効果が高いと思われるため」が71.9%と7割を超え最も多く、また「広告のトレンドであるため」という回答も52.9%と半数を超えた。
「動画へのシフトに伴い縮小する広告は何か」と聞いた結果では、「インターネット広告」が75.2%と圧倒的多数を占め、バナー広告もテキスト型から動画のものへとシフトして行くと推測できる。
動画広告での課題について聞いたところ、最も多かったのは「広告戦略の全体設計」で51.9%、「ノウハウの不足」を挙げる担当者も45.5%と半数近くになった。動画広告が急速に普及する中、効果測定も含め企業のノウハウが未だ十分でない実態が窺われる。(編集担当:久保田雄城)