問われる官民人事交流制度、利害部署に民間社員

2019年06月14日 07:21

 官民人事交流制度を利用し、日本経済団体連合会の中西宏明会長が取締役会長・執行役を務める原発メーカー、日立製作所や関連企業社員が経産省や文科省に「天上がり」し、一部は日立製作所が原発輸出を目指したリトアニアの日本大使館書記官や理事官として活動していた。一方、経産省や文科省、資源エネルギー庁の元官僚が日立製作所などに天下りや現職が出向していたなど、安倍政権との癒着が改めて浮き彫りになった。

 日本共産党が16日発行の日曜版、機関紙「赤旗」で詳報した。記事によると「リトアニア在日本大使館には2016年4月まで約4年間、日立の2社員が交代で出向。3等書記官や3等理事官を務めていた」としている。

 社員は「日立製作所電力システム社国際電力営業本部欧州部員と原子力事業統括本部原子力事業統括センター企画部員」だったとしている。

 また文科省の研究開発局原子力課に日立GE社員らが「天上がり」し、原子力関連事業で公募窓口を担当。昨年開かれた「アジア原子力協力フォーラム」(上級行政官会合)にも文科省職員として参加していたという。

 官民人事交流制度を利用し、直接に利害関係にある行政部署に民間社員を出向させれば行政の公平性や国民視点からみての中立性、政策立案過程への疑問を生じかねず、官民人事交流がどうあるべきか、検証する必要がある。(編集担当:森高龍二)