公正で品位あるべき、身内から指摘される自民党

2019年07月02日 07:18

 自民党・石破茂元幹事長は自民党が執筆者や運営主体の記載もない「フェイク情報が蝕むニッポン、トンデモ野党とメディアの非常識」という冊子を参院選対策用に党所属国会議員に配布したことに「公正で品位のある政党であるべき。参考資料も正々堂々と自民党の責任において作成すべきもの」と非難。「対立と分断を是とするような姿勢は広範な国民の共感は得られない」と執行部のやり方に強い疑問を提起した。

 石破元幹事長はブログで「冊子はネットサイトの記事をもとにしたとしているが、冊子に描かれた(立憲民主党の代表の)枝野氏、(国民民主党代表の)玉木氏、(日本共産党委員長の)志位氏と思われる人物のイラストは悪意に満ちた、人の嫌悪感や憎悪感を煽るもの」。「品位が感じられません」と公党が扱うものではない旨を指摘。

 石破元幹事長は「いかに立場や主張を異にしようとも、いやしくも『全国民の代表者』である国会議員や政党の党首に敬意を払わず、侮蔑・嘲笑するかのごとき態度は本来、日本人の感性からは遠いものではないでしょうか」とも訴えている。

 「美しい国・ニッポン」を一時掲げた安倍晋三自民党総裁が描く「日本人の姿勢」とは真逆のことを、自らが総裁を務める自民党が行い、身内から指摘される始末。

 石破元幹事長は「日本を担う責任政党である自民党は、公正で品位のある政党であるべき」と公正さと品格に疑問を呈した。自民党は党所属国会議員に1人あたり25冊を配布。良識派はすぐゴミ箱に入れたとか。

 この冊子は「朝日新聞」「東京新聞」「沖縄タイムス」など安倍政権の政策に批判的なマスコミを「フェイクこそが本流のメディア」などとも表現していた。(編集担当:森高龍二)