今や5000億円規模にまで成長した、ライブ・エンターテインメント市場。その中でも近年、参加体験型のイベントが話題を集めている。
代表的なものとしては、SCRAP社が展開する「リアル脱出ゲーム」をはじめとする謎解きイベントが盛んだが、それだけではなく、夏休みは特に親子で参加できる体験プログラムが目白押しだ。
参加体験型イベントの魅力は、何と言っても非日常体験にあるが、せっかく親子で参加するなら、楽しいだけではなく、学びの要素も取り入れた体験をしてみたいものだ。
例えば、暗闇のソーシャルエンターテインメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」などはいかがだろうか。暗闇のエキスパートである視覚障がい者のアテンドのもと、完全に光を遮断した空間の中に数人のグループを組んで入って、探検したり、様々なシーンを体験する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、これまで世界で800万人を超える人々が体験している人気のプログラムなのだ。日本では、大阪のグランフロント大阪内の「住ムフムラボ」で、積水ハウス〈1928〉とダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの共創プログラムとして、ダイアログ・イン・ザ・ダーク「対話のある家」が定期開催されている。2016年からは、夏休み限定の親子向けプログラムが開催。今年も7月4日から8月26日までの期間にわたって夏休み限定プログラム「僕たちの夏休み」が開催されている。当プログラムでは、?おじいちゃんの家“を訪れ、縁側や畳、線香花火といった、夏のアイテムを視覚以外で体験できる。また、体験後には、アテンドによる点字教室「夏休みくらやみ教室」も行われているので、自由研究にもぴったりだ。
記者も体験したが、ダイアログ・イン・ザ・ダークの魅力は、単なる暗闇体験ではない。光が完全に遮断された空間に足を踏み入れた途端、得も言われぬ恐怖と不安に襲われる。自分たちが今までいかに視覚に頼った生活を送っていたのかを思い知らされるだろう。ところが、巧みなアテンドによって、次第にその不安は拭われていき、代わりに視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づくのだ。さらには暗闇の空間を共に過ごす参加者たちとの交流を通して、コミュニケーションの大切さ、人のあたたかさなどを思い出す。
また、子どもたちに根強い人気を誇るキッザニアも夏休み限定プログラムを開催する予定だ。
キッザニアは、子どもサイズに作られた街の中で、子どもたちが数々の仕事にチャレンジし、楽しみながら社会のしくみを学ぶことができる「こどもが主役の街」。体験できる仕事やサービスは、なんと約100種類にも及ぶ。
そんなキッザニア東京では、今夏の限定プログラムとして「夏休み ECO – KidZ Challenge」を7月19日~9月1日まで開催する。トイレタリー用品や医薬品などのメーカー、ライオン株式会社〈4912〉の提供による期間限定パビリオンで食器用洗剤研究員になったり、段ボールアーティストによるモノづくりワークショップに参加するなど、この夏だけ体験できるエコミッションを複数用意。それらのミッションを楽しみながら、エコ意識を持つことができる。
海やプールもいいけれど、こういった他ではできない非日常の体験は、子どもの心にもきっと、特別な経験や思い出として長く残るのではないだろうか。せっかくの夏休みだから、親子で体験型イベントに参加してみてほしい。(編集担当:藤原伊織)