政府の「キッズウィーク」構想 親の7割超が「子どもともっと遊ぶため利用したい」

2017年10月15日 12:01

 小・中・高校の夏休みの一部を別の時期にずらして大型連休とする「キッズウィーク」構想の検討が政府によって進められている。早ければ2018年度からの導入を検討しており、家族旅行の喚起による消費の活性化や、なかなか上がらない有給休暇の取得率を上昇させる事による「働き方改革」「休み方改革」の推進などに繋げていきたい考えだ。今後、公立校では義務化を目指し、私立校には協力を求める方針だという。

 実際に子どもを持つ親たちは、キッズウィークに対してどのように考えているのか。パートナーエージェント〈6181〉は、もし休みがとれるのであればキッズウィークを利用してみたいか、どのように過ごしたいかなど、キッズウィークに関する意識調査を行った。

 子育て世代の約6割が3連休以上のまとまった休みは「年末年始」(63.3%)、「夏休み」(60.0%)、「ゴールデンウィーク」(58.2%)の3つと回答が多く、連休の過ごし方について聞いてみると、最も多かったのが「子どもを遊びに連れて行く」(64.9%)、続いて「ゆっくり休養する」(59.6%)、「家族で旅行に行く」(58.7%)となり、在宅派は一定数いるものの、外出派が多数を占める結果となった。在宅派の理由についてたずねたところ、最多は「混雑が苦手だから」(64%)、次いで「疲れた身体を休めたいから」(49%)、「金欠で節約が必要だから」(26%)と続いた。

 子育て世代では、「キッズウィーク」の施策を活用して、子供と過ごす時間を確保しようと考える親が7割を超えた(70.5%)。普段の生活の中での子どもとのふれあいやコミュニケーションについて、4人に1人が足りていないと感じていた。これには共働き夫婦の増加や、適正な休暇がとれていないなど親の「休み方改革」の浸透不足などが一因とも考えられる。

 ネット上では本施策に対し様々な意見が飛び交っているが、特にサービス業などからの反発が目立っている。祝日の増加によってむしろ労働的な負担が増える業態は相当の割合で存在しており、不平等に繋がる懸念もある。同時に、労働者の休暇時期を政府によって一方的かつ一元的に決められることへの反発もあるようだ。

 いずれにせよ、政府が半ば強制的に与えた休みが消費喚起にどれだけ繋がるのかという疑問や、そもそも自由に有給休暇が取れるような社会風土の構築が先だろう!など対症療法的な施策にみえてしまう、というような批判には頷ける点もあるだろう。それでも休みが増えるならば歓迎したいという人も多いはずだ。「キッズウィーク」の取得が、親子の絆を深めるきっかけや地方創生への架け橋となり、その付加効果として消費喚起に繋がる可能性に期待したい。(編集担当:久保田雄城)