エン・ジャパンではミドル世代に向けて副業に関するアンケートを実施した。副業をしたいと思っている人は7割。一方で実際に副業をしている人は2割。企業が副業を禁止するケースも目立つが、副業によってスキルや知見獲得などのメリットもあり。
働き方は時代とともに変わっていく。日本では安倍政権によって働き方改革が掲げられ、企業は従業員の副業を認めるよう促されている。現代日本の働き方は多種多様だ。個人の目的やライフスタイル、または価値観などに合わせた働き方が少しずつ広がりを見せ、就職した一つの企業にのみ従事する慣習に囚われる必要がなくなってきている。
しかし長い間続いてきたスタイルをすぐに取りやめる事は簡単ではない。エン・ジャパンは35歳以上のミドル世代向け転職サイトで副業に関するアンケートを行ったが、7割の人が副業をしたいと答えた一方、実際に副業を行っている人はほんの2割にとどまった。副業をしていない8割の人にその理由を尋ねたところ、最も多かった回答は会社が副業を禁止しているというものであった。この理由が50%を占めていたため、全ての企業で副業が完全に解禁されるまでにはまだまだ時間がかかる事が予想される。
副業をしたいと考える目的は人それぞれだ。お金がほしいと言う人もいれば、一つの職業だけに注目する事なく視野を広げたいと思う人もいるだろう。副業をする理由に関する設問にて、大きな特徴を見せたのは年収差による目的の違いであった。年収1,000万円以上の人の場合、最も多かった理由は知見や視野を広げるためというものである。一方で年収1,000万円未満の人の場合、本職の収入だけでは不十分といった回答が最多であった。精神的向上やスキルアップのためか、それとも金銭獲得を目的とするか、収入によって副業の捉え方もある程度変わってくるようだ。
副業を禁止する企業の視点に立ってみれば、本職への影響や情報流出など様々な懸念があるのだろう。しかし実際に副業を行っている2割の回答者へのアンケートによれば、副業をする事は本職でも役立つメリットを含んでいる可能性が窺える。副業で得た知識や人脈を本業に活かせたケースや、副業での経験によって本業のスキルをアップさせたケースなど、副業を行っている人の5割は本職で役に立ったと答えた。年収1,000万円未満であろうと以上であろうと、副業が本業の手助けとなる場合はある。副業を認める事で企業にとっても良い効果が生まれる可能性は低くないと言えるだろう。(編集担当:久保田雄城)