時代と共に金銭的な意識は多少なりとも変化するものだ。バブル期にはお金を使う事が一つのステータスのようになっていたが、現代では打って変わって人々の財布の紐が非常に堅くなっている。お金に対する意識が変わればライフスタイルにも変化が生じるのは当然のことだろう。節約に励む人や副業を始める人など、自分の将来を考えながら堅実に生きる人が増えている。
働く女性の暮らしとお金に関する調査をインターネット上で調査したのは日本FP協会である。ネットエイジア株式会社協力のもと、全国の20代から50代の働く女性を対象にして1,200名のサンプルを集めた。
このアンケートの結果によれば、働く女性の半数近くは貯蓄や節約を行っている。1,200人のうち自分が貯蓄上手であると答えた人は45.3%であり、貯蓄下手であると答えた人は54.8%となった。また、自分が節約上手であると答えた人は49.6%、節約下手であると答えた人は50.4%であるとも判明している。貯蓄や節約に意識を向けている人が半数近くいることからも、金銭的に堅実な生き方を心掛けている女性が多い傾向も見受けられる。
さらに節約を重視している女性がどのような行動をしているかと言えば、食費や娯楽費を抑える取り組みが最も多いことが分かった。外食をなくして自炊や弁当持参を継続させたり、生きていくうえではなくても良い娯楽への消費を我慢したり、手軽に始められるところからライフスタイルを見直す女性が41.4%である。現代的な傾向としては、副業を行って本業以外の収入を得ると言った回答もあった。
アンケート対象のうち副業で収入を増やしている人は24.3%となった。副業によって得られる収入の月額平均は13,878円である。ただしこれはあくまで平均値であるため、収入額として最も多かった層は5,000未満であり、これが57.5%にも及んだ。副業をしている女性達が理想とする水準よりも実際に得られる額は低くなっているため、思うように貯蓄に繋がらない場合も少なくはないだろう。
得られる金銭が理想よりも少なければ、出て行く金銭を減らしていく考えにシフトせざるを得ない。消費税の引き上げに伴い実施の検討がされているのはキャッシュレス決済のポイント還元であるが、消費税増税後にキャッシュレス決済の利用を考えている女性は61.6%となった。金銭に対する意識の高まりによって支出の削減も重視されるのは現代の傾向である。働く女性達の堅実な行動に伴い、消費行動のあり方も更に変化するかもしれない。(編集担当:久保田雄城)