地域経済 東北・北陸で足踏み感。中国減速を背景にスマホ関連・電子部品など減速

2019年08月06日 07:07

画・地域経済。東北・北陸で足踏み感。中国減速を背景にスマホ関連・電子部品など減速。

経産省が4-6月期の地域経済産業調査の結果を発表。全体の景況判断は「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している」。東北・北陸などで中国減速を受けスマホ関連・電子部品で足踏み感、弱い動き。

 7月の政府月例経済報告では「景気は、輸出を中心に弱さが続いているものの、緩やかに回復している」となっている。詳細は、個人消費の持ち直し、設備投資は機械投資に弱さが見られるが全体としては増加、輸出は弱含み、生産は一部が弱く全体として横ばい、企業収益は高い水準だが業況判断は製造業を中心に慎重、雇用は改善、消費者物価は緩やかな改善、である。

 この月例報告の記述からも米中貿易摩擦を背景にした中国経済の減速、貿易の縮小の影響が製造業を中心に現れてきていると見て良いだろう。その日本経済全体への影響は未だ小さく、今のところ回復基調が続いているが、中国向け輸出と関連する電子部品・デバイス産業が多い東北や北陸などの地域では既に「弱い動き」、「足踏み状態」が見られるようだ。

 7月下旬、経済産業省が2019年4月-6月の「地域経済産業調査」の結果を公表した。全体総括としては「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している」となっている。細かに見ると「生産は、中国など海外経済減速の影響等により、電子部品・デバイスがスマートフォン関連などで弱い動きがみられる」と中国経済の減速の影響を明記している。

 地域別に見ると「北海道」は「緩やかに持ち直している」、「東北」は「一部に持ち直しの動きがみられるものの、足踏み状態」、「関東」は「緩やかに改善」、「東海」では「改善している」、「北陸」は「一部に弱い動きがみられるものの、改善している」、「近畿」は「緩やかに改善」、「中国」が「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかな持ち直しの動き」、「四国」が「持ち直しの動きに足踏み感がみられる」、「九州」は「横ばい」、「沖縄」は「改善が続いている」となっている。

 スマートフォン関連、電子部品・デバイスが減少・弱含みであるのは「東北」、「関東」、「東海」、「北陸」、「中国」であり、これらの地域で米中摩擦の影響が出ているようだ。このうち「関東」、「東海」、「中国」は輸送用機械や個人消費に支えられ全体としては「改善」になっている。「北陸」は化学、生産機械、個人消費が堅調で全体では「改善」だ。

 米中貿易摩擦の先行き不透明感は高まっており、今後更に強い影響が出ることも予想される。地域全体としては今のところ輸送用機械や個人消費などの内需に支えられて「東北」、「四国」「九州」を除き改善傾向だが、秋の消費税増税と中国経済の更なる減速で他の地域経済の後退も懸念される状況だ。(編集担当:久保田雄城)