2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)の第10戦ラリー・ドイツの競技最終日が、8月25日ドイツ西南部のボスタルジーを中心に行われた。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が優勝。クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(同5号車)が総合2位で、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(同10号車)が総合3位でフィニッシュし、ヤリスWRCは初めて表彰台独占を果たした。
最終日のデイ4は、サービスパークの北側、モーゼル河畔に広がるモーゼルワインのブドウ畑で2本のステージを各2回走行。4本のSSの合計距離は79.50kmだった。デイ3で首位タナックを筆頭に1-2-3体制を築いたチームトヨタの3人のドライバーは、道幅が狭くツイスティなコーナーが連続するブドウ畑のステージを堅実に走行。4本のステージを走り切り、2017年のWRC復帰以来初となる1-2-3フィニッシュを達成した。
タナックにとって今回、ラリー・ドイツ3連覇となり、今シーズン5勝目。ドライバー選手権首位の座を守り、2位の選手に対するリードを33ポイントに拡大した。
また、ミークがチーム加入後初めて表彰台に立ち2位となった結果、チームは最大のマニュファクチャラーポイントを獲得。マニュファクチャラー選手権2位の座を維持し、トップのチームとの差を8ポイントに縮めた。
なお、単一のマニュファクチャラーが表彰台を独占したのは、2015年のラリー・ドイツ以来4年ぶり。優勝した前戦フィンランドはチームトヨタにとってホームイベントだったが、ドイツもヤリスWRCのエンジン開発を手がけるTMG(トヨタモータースポーツGmbH)の所在地であり、2戦連続ホームイベントで勝利を飾ったことになる。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、今回初めてヤリスWRCをドライブしてWRCに出場した勝田貴元/ダニエル・バリット組(17号車)は、最終日も安定した走りでヤリスWRCをフィニッシュさせ、初出場のラリーを総合10位で走破した。(編集担当:吉田恒)