中外製薬、新規抗体医薬品創製に特化した新会社をシンガポールに設立

2011年12月16日 11:00

 中外製薬は、革新的な抗体創製技術を活用した新規抗体医薬品の創製に特化した研究を行うことを目的に、新会社(以下CPR)をシンガポールに設立する。

 CPRでは様々な国籍や専門性をもつ多様な研究者が、中外製薬が保有する独自の新規抗体創製技術を活用し、治療効果を飛躍的に高める可能性のある抗体医薬品候補を迅速かつ効率的に創製している。CPRでは年間5つ以上の開発候補品の創製を目標としており、中外製薬の開発パイプラインのより一層の充実が図られるという。

 中外製薬は、従来の抗体では不可能であった「1分子の抗体が標的とする抗原の作用を繰り返し遮断すること」を可能としたRecycling抗体技術(2010年10月、Nature Biotechnologyに発表)を開発。それに加え、その技術をさらに改良して従来の抗体では不可能であった「標的とする抗原を血漿中から除去すること」を可能にしたSweeping抗体技術を開発している。これらの抗体創製技術を活用することで、多くの疾患において従来の抗体では到達できないと考えられていた治療効果を実現することが期待できる。

 また、中外製薬は、国内外の研究機関とのネットワーク構築に積極的に取り組んでおり、CPRはC&C リサーチ・ラボラトリーズ(韓国)、ファーマロジカルズ・リサーチ(シンガポール)ならびに未来創薬研究所(東京)に次いで、中外製薬の4番目のサテライト研究所となる。今後も日本のバイオ医薬品のリーディングカンパニーとして、革新的な技術開発とその技術の応用により、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品を創製し、世界の医療と人々の健康に貢献していく。