事務次官がOBの日本郵便上級副社長に情報漏洩

2019年12月22日 08:50

 先輩(官僚OB)、後輩(現職官僚)の癒着を露呈。かんぽ生命保険の不適切契約をめぐる行政処分の検討状況を総務省の鈴木茂樹事務次官が、元事務次官で日本郵便の鈴木康雄上級副社長に漏らしていた。

 高市早苗総務大臣が20日、記者会見で明るみにし、鈴木事務次官を停職3か月、自らは大臣給与を3か月分自主返納するとした。

 高市大臣は少数幹部しか知らない内容が日本郵政側に漏れている疑いがあるとして内部監察を行った結果、鈴木事務次官が漏らしたことを認めたという。鈴木事務次官は辞表を提出。高市大臣は受理した。

 鈴木康雄氏は、かんぽ生保の不正販売を伝えたNHK番組に抗議し、表面化に伴い衆院予算委員会で参考人として出席した際には「圧力をかけた記憶は毛頭ない」と強弁していた人物。NHKの取材方法に「まるで暴力団といっしょでしょ」と言ったとの報道もある。

 高市大臣は「総務省OBが日本郵政グループの取締役などに就任することは好ましくない」とした。

 ネット上では停職3か月の処分内容を疑問視する声が多い。「懲戒免職ではないね。国民の税金から退職金も満額もらえて再就職の斡旋も問題なし」「国民が多くの被害に遭ったことへの重大性の認識がない」「処分が甘い。懲戒免職に値する処分が妥当だろう」「職務上、守秘義務が課される内容を漏洩しておいて、辞職で退職金が支払われる・・。懲戒免職が相当でしょう」と最も重い処分に相当するとの声が相次いで書かれている。「桜を見る会」を筆頭に、安倍内閣と官僚への不信感がつのるケースが相次いでいる。(編集担当:森高龍二)