政府の全世代型社会保障検討会議の中間報告がまとまった。この中で、人生100年時代に合わせ、多様な働き方では社員の兼業・副業に係る労働法制での『労働時間規制の取り扱い』『割増賃金の取り扱い』について、来年夏の最終報告に向け検討していくことを明記した。フリーランスについても労働政策上の保護など、実態を把握し課題解消へ最終報告に向け検討していくとした。
中間報告書は「社員の兼業・副業」について「第2の人生の準備として有効」とし「副業を希望する者は増加傾向にあるものの、実際に副業があるとする数は横ばい」だと指摘。
副業の本業への影響については「副業経験が本業の賃金に与える影響を分析した研究では思考・分析といった高度人材では副業をしている人が、そうでない人より本業での賃金が36%高くなっている」との研究結果を取り上げ「企業の境界を低くし、従業員に兼職させることで本業の価値が高まり得ることを示唆している」とした。
そのうえで「企業が兼業・副業を認めていない理由には『過重労働への懸念』『労働時間の管理・把握の困難さへの懸念』が多い」とし「懸念を払拭できる制度整備が課題であり、労働時間規制及び割増賃金の取扱いについて最終報告に向けて検討していく」とした。
またフリーランスについても「労働政策上の保護や競争法による規律について様々な議論がある。このような議論があることも踏まえ、内閣官房で関係省庁と連携し、一元的に実態を把握・整理した上で、最終報告に向けて検討していく」とした。検討会議は「多様な働き方の一つとして、希望する個人が個人事業主・フリーランスを選択できる環境を整える必要」とした。(編集担当:森高龍二)