河合参院議員の説明に「違和感」自民・石破氏

2020年01月26日 08:12

 自民党元幹事長の石破茂衆院議員は公職選挙法違反の疑惑が言われる河合案里参院議員(自民党、広島)が「(記者質問に)国会に出席せず説明もしなかったのは捜査や国会審議に支障をきたすことを避けるためだった、と述べたことには少なからず違和感を覚えた」と多くの国民感覚に同調する意見をブログ発信した。

 石破元幹事長は「自身の潔白を国会の場で説明することが、どうして捜査や国会審議に支障をきたすのか、私にはよく理解が出来ません」とごもっともな提起だ。

 石破議員は「説明することは、捜査や国会審議を促進することになりこそすれ、阻害するとは本末転倒なのではないか」と河合議員は姿勢を改めるべきではないかと求めている。

 また、記者会見するにも、いかにも直前告知では「やりました」の言い訳会見にしかならない。説明するなら「早くに告知し、しかるべき場所を設けて丁寧に時間をかけて潔白を明らかにした方がご自身のためであったはず」と指摘。

 同時に、自民党の「候補者」選定にも疑問を提起。「公認候補の選定に当たっては、今後、更に公正・公平を期すことが、自民党の有権者に対して果たすべき責任」と党執行部にも釘を刺した。

 石破元幹事長は「かつてリクルート事件や東京佐川急便事件の際、中曽根康弘元総理や竹下登元総理のような方々は、証人喚問に応じてでも説明責任を果たそうと努力されたと記憶する」としたうえで「あのような自民党の気風は何処へ行ってしまったのでしょう」と安倍政権、安倍総裁の下で自民党が変質・劣化していることに危機感を滲ませた。
 
 また「地元に多くの反対がある中で敢えて河合案里氏を参議院公認候補として擁立し、2議席独占を目指した背景には、元自民党参議院会長でもある現職の溝手顕正議員が、第一次安倍内閣で国家公安委員長在任中に安倍総理を批判したことが根底にあると一部で報道されている(結果は野党系候補と河合氏が当選し、溝手氏は落選)。一国の総理たる方やその周辺によもやそのようなことはないと思いますが」と安倍総理の個人的遺恨が背景にあったのではないかとの報道にも、万一にも、そのようなことはあってはならない旨を書き込んだとみられる。

 しかし、自民党本部は参院選挙前に、新人だった案里議員と案里議員の夫の克行前法務大臣の政党支部に各7500万円、合計1億5000万円を与え、選挙をサポート。他方、地元の自民県連が推す現職だった溝手氏には1500万円しか与えなかったという報道がある。河合夫妻は合計1億5000万円が党本部から政党支部に振り込まれたことを認めている。(編集担当:森高龍二)