世界の自動車市場全体は縮小傾向にあるにも関わらず、独フォルクスワーゲン(VW)グループの2019年の年間販売台数は、前年比1.3%増となる1097万4600台を記録したと公式に発表した。グローバルに概観してもすべての地域で市場シェアは拡大したという。
ヨーロッパ(+3.9%)、南米(+3.2%)では販売増を達成したが、北米(−0.5%)、アジア太平洋地域(−0.4%)においては僅かに販売台数を落とした。ただ、電気自動車(EV)の販売は、大幅な増加を記録しているとする。VWグループのe-モビリティ攻勢により投入した数多くの新型車に加え、電気自動車に対する関心の高まりによって、対前年比約80%増となる14万台以上を販売した。
グローバルなエリア毎における2019 年の販売台数は以下のとおりだ。
欧州において、VWグループは2018 年と比べ3.9%増となる455万2800台を販売した。西ヨーロッパ消費者は374万7000台(前年比+4.6%)のVW傘下ブランド車両を選択したという。なかでもホームマーケットであるドイツでは、より成長を遂げ、136万4000台(同+6.2%)の車両を販売した。
中央および東ヨーロッパでは80万5800台(前年比+1.1%)を納車した。ロシアでは2018年を1.6%上回る23万3600台のVW車を納車した。
北米では、VWグループによる販売台数は僅かに減少しました。が、市場全体の縮小がそれ以上に大きく、市場占有率はわずかに拡大した。結果として95万1500台(前年比−0.5%)のVWブランドの新車を販売した。ただ米国では僅かだが伸長した。実績を示すと前年比2.5%増の65万4200台を販売している。
市場が縮小傾向にあるとされるメキシコにおいて、販売台数は前年比7.4%減の18万5100台だったものの、マーケットシェアは僅かに拡大した。
南米地域においても市場全体の落ち込みにも拘わらず、販売台数増となり、マーケットシェアを伸ばすことができた。販売台数は前年比3.2%増の60万8600台。ブラジルは、グループによる販売が対前年比17.1%も増加し、47万0400台となった。
南米エリアで厳しかったのはアルゼンチン。経済状況は厳しく、VWグループもその影響を大きく受け、販売は対前年比39.5%減の7万1800台だが、マーケットシェアは大幅に伸ばしている。
アジア太平洋地域におけるVWグループ販売は453万0100台。前年比0.4%減だったが、市場全体の縮小がそれ以上であったため、マーケットシェアを大幅に拡大することができた。最大市場である中国では、市場全体が縮小しているにも拘わらず、前年比0.6%増の423万3600台を販売、マーケットシェアの大幅な拡大につなげた。
この独VWのレポートを世界のアナリストはどう捉えるのか、世界の自動車業界が注目している。(編集担当:吉田恒)