アキュラホーム、日本初同社標準規格住宅への「最大風速66m/S、耐風実験」を実施

2020年02月23日 10:30

Aqura_Home

左がアキュラホーム耐風・規準で建てた同社スタンダードとなる木造住宅、右が建築基準法準拠の一般的な木造住宅の耐風実験。試験風速はデジタル表示のとおり

 中堅木造注文住宅メーカー、アキュラホームが日本初となる「最大風速66m/S、耐風実験」を公開した。耐風実験を行った、埼玉県草加市の中央試験所・大型送風試験室。ここに、実際の住宅と同じ構造建物を持ち込んで、最大風速66m/Sの暴風を当て、実験した。

 持ち込んだ建物は、現在の建築基準法に準拠した一般的な木造住宅と、アキュラホームの耐風規格で建てた同社スタンダードとなる木造住宅だ。

 アキュラホームが実験を実施した背景にあるのは、2018年?19年に多発した大規模な自然災害だ。なかでも政府の激甚災害と指定した昨年秋、連続して到来した台風15号、19号は家屋の屋根が大きな被害を受けた。それを受けて、セコムが実施した第8回「日本人の不安に関する意識調査」の最近1年間で不安を感じた事件・事故の項で、半数を超える人が「台風や暴風・豪雨・ゲリラ豪雨などによる土砂災害」を挙げ1位(50.4%)となり、2位の「地震・津波による被害(36.0%)」を大きく引き離し、異常気象による自然災害に不安を感じていることが分かった結果だという。

 そのため実験では、国内で観測された最強と言われる最大風速66m/Sの暴風に対するアキュラホームの建物の強度を検証、同時に台風対策のこれまで以上の「強化と安全性の追求」を図るために実施・公開した。

 暴風被害は大型台風や冬季の爆弾低気圧などの30?40m/Sの最大風速が及ぼす被害が想定されている。建築物に対する被害は外装材の飛散、トタン屋根がめくれる、一部で倒壊住居も現れるなどが代表的。そこで、実験ではまず、風速40m/S程度の暴風を連続5分間当てる実験を建築基準法に準拠した一般的な木造住宅で行なった。

 結果、屋根材(一般的なスレート製)の一部が上下に振動、雨トイの一部脱落などが見られたものの、大きな被害は確認不能だった。

しかし、一般的なサッシ窓およびガラスが破壊されるとされる最大風速60m/S超の突風を当てる実験を行なう。その結果、屋根の一部が若干持ち上がり、軒の一部が壊れ吹き飛ぶ、などの現象が起きた。

 同じ装置を使ってアキュラホームが建てた同社スタンダードとなる木造住宅を実験に供する。同社の自信の現れか、耐風チェックは40m?50m/Sの連続耐風試験から始まったが、ほとんど問題は発生しない。

 一転して試験を「66m/Sクラスの連続耐風試験」、つまり前述した実験の“突風試験”ではなく“連続耐風試験”を実施する。

 端的に記すと、結果には“大きな問題は無い”ということ。アキュラ仕様の住宅は、建築基準法に準拠したうえで、構造壁を“筋交い方式”から“面で支える構造”に強化、屋根接合部強化と屋根材および施工の変更、雨トイの変更、ガラス&サッシのオリジナル化などの対策を盛り込んだという。

 今回の実験、人が住まう住居、基本となる建築基準法に準拠するだけでは“安心・安全”を担保するには、“やや不安”を示す結果となった。

 実験終了後にアキュラホームの宮沢俊哉社長に質問をした。「アキュラスタンダード住居は、基準法準拠住宅に較べて何割のコストアップになりますか?」と。回答は、「コストを大幅に上げることなく、手が届く価格で提供することが大前提。コストを上げることは簡単だが、できるだけコストを抑えて実現できたのが、アキュラホームらしさ。今後の商品開発に活かす。」とした。(編集担当:吉田恒)