連日、新型コロナウイルスに関するニュースが飛び交っている。世界中で確認された感染者の総数が12万人に迫ったことを背景に、WHO(世界保健機関)もやっと「パンデミック(感染症の世界的流行)」を宣言している
連日、新型コロナウイルスに関するニュースが飛び交っている。世界中で確認された感染者の総数が12万人に迫ったことを背景に、WHO(世界保健機関)もやっと「パンデミック(感染症の世界的流行)」を宣言している。
そんな中、民放の人気番組「林修の今でしょ!講座」の中で、ある食材が特集され、優れた抗菌性に注目が集まっている。その「ある食材」とは、古代より健康食品として世界中で利用されてきた「ハチミツ」だ。番組では、免疫力をアップするバターとともに、「ハチミツVSバター」という形で、健康有用性を検証した。
ハチミツは栄養価が高いことで知られているが、実に約190種類もの栄養成分が含まれているという。 とはいえ、ひと口にハチミツと言っても、蜜源となる植物によってハチミツの栄養分も成分も、味も変わる。一般的に流通しているハチミツの代表的なものはアカシアハチミツだ。クセのない味で、料理などにも利用しやすい。しかし、細菌やウイルスに対抗する抗菌パワーを期待するなら、ニュージーランドに生息するマヌカという植物の花を蜜源にした「マヌカハニー」だという。
マヌカハニーは、ハチミツの中でも抗菌パワーが飛び抜けて高く、番組でハチミツを解説した食品医学研究所所長の平柳要先生によると、普通のハチミツの8倍もあるという。また番組では、山田養蜂場のみつばち研究科学研究所が公開している、長崎大学の研究グループへの助成研究の報告データを引用し、アカシア、そば、マヌカ、それぞれのハチミツの種類別にインフルエンザウイルス活性度の比較をグラフで表して、マヌカがハチミツの中でもインフルエンザへの抵抗力が圧倒的であることを示した。
同グループの研究では、ハチミツにはインフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがあることが判明しており、さらにハチミツのフラボノイドがウイルスの遺伝子を破壊してくれることが分かったという。ちなみに、マヌカハチミツを購入するときのポイントとしては、MGOという表示が高ければ高いほど成分の含有量も高いそうだが、抗菌性だけを求めるのであれば、低いものでも十分効果があり、MGOの数値よりも継続して摂取することの方が大切だと、平柳先生は語っている。また、貴重なマヌカハニーは抗菌パワーは強いが、その分、値段も高い。そこで、手軽な価格で手に入る「そばハチミツ」なら、ミネラルやルチンが豊富で、ウイルス撃退パワーも高いそうだ。
番組では、ハチミツで健康を維持しているという長寿の方に取材を敢行。その内の何名かが、ハチミツと一緒に生姜と酢を組み合わせて、日常的に摂取していることも突き止めた。生姜に含まれるジンゲロールという辛味成分は殺菌作用が強いことで知られており、酢の酢酸も、強力な殺菌パワーを持っている。これらを組み合わせることで、抗菌効果やアンチエイジングの効果が高まっているのかも知れない。
残念ながら、新型コロナウイルスへの効果については、今はまだ「期待」に留まったが、インフルエンザを撃退する抗菌メカニズムは多くのウイルスや細菌にも共通するものだ。少なくとも、風邪やインフルエンザを防げるだけでも、「もしかすると新型コロナかも」と無用の心配をしなくても済むし、医療機関に出向くリスクも少なくできるので、この状況では非常に有効な新型コロナ対策になるだろう。また、これを機会にハチミツを常用する習慣をつければ、今後こういった感染症の予防にもつながるのではないだろうか。
さらに、山田養蜂場によると、マヌカハニーよりもさらに抗菌能力に優れているのは、ミツバチが木の芽や樹液などの植物源から集めた樹脂製混合物「プロポリス」だという。こちらはハチミツのように砂糖の代わりとして料理などに使うことはできないが、飲みやすいカプセル等も販売されているので、健康維持のサプリメントとして利用するのもいいだろう。仕事の忙しい人などには、ハチミツよりもむしろ摂取しやすいかもしれない。(編集担当:藤原伊織)