再調査拒否の総理に再調査は当たり前と志位氏

2020年03月22日 09:13

 国有地が8億円値引きされ森友学園に売却された事案に「私や妻が関係しているということであれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい」と安倍晋三総理が国会答弁後、土地取引に関する文書から昭恵総理夫人の名の記された文書などが改ざんされた問題。

 その詳細な経緯、背景を記して自殺した近畿財務局職員の赤木俊夫氏の「手記」は「改ざんがすべて佐川宣寿理財局長(当時、後に国税庁長官に出世した人物)の指示であった」と断言している。

 佐川氏の指示は文書改ざんにとどまらず、国会審議対応も「野党議員からの様々な追及を避けるため、原則として資料はできるだけ開示しない、開示するタイミングもできるだけ後送りするよう指示があったと聞いている」と国政調査権への妨害を明らかにしている。

 会計検査院の調べにも「資料は最小限、できるだけ資料を示さない、法律相談関係の検討資料は『ない』と説明するなどが本省から財務局に指示があった」と調査妨害を図ったことがわかる内容。

 この手記が白昼のもとになったことを受け、19日の参院総務委員会で安倍晋三総理は、この問題の再調査を野党議員に求められ「財務省で事実を徹底的に調査し、明らかにした。検察当局による捜査も行われた」などとして拒否。

 日本共産党の志位和夫委員長は「財務省は報告書作成の際に『赤木さんのヒアリングは行っていない』と答弁で認めた。赤木さんの手記が明らかになった今、再調査するのは当たり前ではないか。政府に再調査を強く求める!」とツイッター発信した。

 さらに志位氏は「改ざんを指示した佐川氏が国税庁長官。理財局次長は横浜税関長、理財局総務課長は駐英公使、理財局国有財産企画課長は内閣官房内閣参事官、理財局国有財産審理室長は福岡財務支局理財部長」に昇進していることをあげ、「改ざんさせられた職員は自殺に追い込まれているのに、改ざんを指示した側はみな出世。こんな不合理をそのままにしてはおけない」と提起。

 この書き込みには「いったい嘘をついた連中を誰が出世させたのか、誰がその嘘で得をしたのか」との反応や「財務省の官僚を全員不起訴にした当時の山本大阪特捜部長は、大阪の次席検事になって、籠池夫妻を裁判で追い込んでます」「すべては安倍昭恵さん関与を隠す為では」「2度とあってはならないことなのに改竄に関与した人たちは一時的に処分されただけで、その後は出世しています。これで責任を取ったと言えますか?改竄の目的を必ず明らかにし、悪事に加担した人全員に改めて責任を追及してください」「正直者がバカを見る世の中は間違っています。佐川氏を始め、職員さんを自殺に追いやった人達はみんな断罪されるべきです」などなど、怒りの声や解明を求める書き込みが相次いでいる。(編集担当:森高龍二)