関電取締役会28日の姿勢、全国民注視しよう

2020年04月26日 10:14

画・バイトテロ。原因は「教育が不十分」、「社員不在の店舗運営」。

関西電力に対し、大阪市が橋本氏を「社外取締役」に起用するように筆頭株主として提案している

 弁護士で行革に身をもって実証してきた橋下徹元大阪市長の手腕から企業体質を根本から改革することが求められている関西電力に対し、大阪市が橋下氏を「社外取締役」に起用するように筆頭株主として提案しているのに、関西電力が拒否する方針との報道が流れている。本気で業務改善計画に取り組む気があるのか、疑いたくなる姿勢だ。28日の取締役会で起用を決断することこそ、消費者は求めることを役員各位は認識すべき。

 報道では、拒否理由に特定政党の政治色が強い、大阪市の意見だけを取り入れることに、などがあがっているようだが、特に高いモラルが求められる電力会社の役員ら幹部が、原発を巡り福井県高浜町元助役から計3億6000万円もの金品を受領していた常識外れの感覚。

 加えて電気料金値上げの際、消費者の理解を得るため役員報酬を減額するとしながら、料金値上げ後に、裏で補填していた問題など、公益性より企業利益優先の企業体質を根本から治すには、現存役員より橋下氏に期待する消費者の方がはるかに多いと推察する。

 松井一郎大阪市長は不透明な経営の「透明性の確保」「業務改善計画の実施状況点検」には株主のためにも、電力の消費者のためにも、橋下氏が適任と判断して提案している。

 関西電力は諸々の問題を反省し、真剣に取り組む姿勢を示すのであれば、橋下氏を社外取締役に迎え、改善の経過が消費者にみえるよう透明性を確保する努力をするべき。

 相変わらず、関西電力の原発依存体質は変わっていない。変える考えさえないようだ。それは原発再稼働や原発の新増設を政府に求めてきた日本経済団体連合会の前会長、榊原定征氏を新会長に据える役員人事の内定からも明らかといえよう。

 橋下氏はツイッターで「俺を内部に入れることのできる組織は本気で生まれ変わる覚悟が必要。まあ関電もそこまでの覚悟がなく、いつものナアナアのメンバーで、これまで通りにやりたいだけやなぁ」とつぶやいた。

 このつぶやきに連動して、ツイッターには橋下氏を拒否する理由に関し「電気料金下げられて給料カットされるから」「経営陣は自分の退職金が満額もらえるかどうかだけ考えていると思います」と関電役員らへの冷たい視線が感じられる。

 松井市長は関西電力が橋下氏の起用を断れば「株主代表訴訟」に踏み切る可能性を見せている。起用拒否なら提訴してほしい。多くの消費者が松井市長の提訴を支持し、応援するだろう。そこまでされなければ対応できない関西電力に業務改善への強力な推進力は生まれないと感じる。4月28日の関電取締役会の対応を全国民で注視しよう。(編集担当:森高龍二)