5月25日に緊急事態宣言が解除された。宣言が解除されても未だ人々は新型コロナウイルスへの感染を強く警戒している。解除宣言が行われたからと言ってウイルスが消えて無くなったわけではない。複数の抗体検査の結果では既に0.6%の者がウイルスに感染しており、市中には未だウイルスが蔓延していると想像できる。
感染によって重篤化するのは高齢者と基礎疾患を持った者だ。当然、高齢者は外出することを控える傾向が強くなるであろうし、また家族も外出を控えるように進めるであろう。高齢者の外出の理由としては通院や介護施設でのデイケアなどが多いであろう。通院はやむを得ないとしてもデイケアの為の外出を控える者は多いのではないか。
介護クラウドシステムを運用するリハブフォージャパンが5月中旬、デイサービス介護従事者123名を対象に「新型コロナウイルスの感染拡大に伴うデイサービスの休止等の影響」について調査し、その結果を26日に公表している。
レポートによれば「事業所の運営を自粛しているか」という問いに対して、「自粛している」と回答した事業者の割合は4.9%に過ぎなかった。事業所自体を閉鎖することでユーザーが利用できなくなるという状況は無かったようだ。一方、「現在、利用者でサービス利用を自粛している者はいるか」という質問に対しては、約9割の事業者がサービス利用を自粛している高齢者がいると回答している。事業所自体は自粛していないが利用者である高齢者の自粛が多く介護・リハビリを十分受けられていない実態のようだ。
こうした状況の中で事業者側が「不安に感じていることは何か」と聞いた結果では、「運動不足」が91.1%、「認知症の進行」75.9%、「コミュニケーション不足」70.5%の順となっており、高齢者の運動不足やコミュニケーション不足、それによる認知症の進行を心配している事業者が多いようだ。
こうした中でも65.8%の事業者は高齢者とのコミュニケーションは取れており半数は運動指導を継続している。しかし、実際に運動しているかのどうかその実態把握については苦戦しているようで、約半数の事業者しか十分に実態を把握できていないようだ。レポートは「オンラインで利用者の運動実態を把握するなどオンライン介護の整備は急務だ」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)