日産、ようやく新型車を市場投入 コンパクトSUV「キックス」は“e-POWER”搭載

2020年06月26日 06:21

Nissan KICKS

日産として久々に投入となったコンパクトSUVの新型「キックス」、写真はXツートーンインテリアで286.99万円

 日産自動車は、市場で人気が高いSUVセグメントに、電動パワートレーン「e-POWER」を搭載した新型コンパクトSUV「キックス」を6月30日から全国一斉に発売すると発表した。価格はXグレード275.99万円、Xツートーンインテリアエディションが286.99万円の2グレードで、駆動方式はいずれもFF(2WD)である。割り切った感もあり、4WD車の設定は無い。日産にとって軽自動車以外の新型車発表は、2年半以上無かったので、久々の新型車投入となる。競合車はトヨタCH-Rハイブリッドあたりだろうか?

 日産キックスは、HR12DE型「e-POWER」を搭載し、力強い加速や高い静粛性、そして、アクセルペダルの踏み戻しだけで加速から減速まで、右脚だけで意のままに行なうことができるワンペダル感覚のドライビングを実現したモデルだ。

 また、アクティブで先進的なエクステリアとシームレスで上質なインテリアとし、運転のしやすいコンパクトなボディでありながら、広い室内空間を実現した。ボディ寸法は全長×全幅×全高4290×1760×1610mm、ホイールベース2620mm、車重1350kgとコンパクトと云いながらなかなか立派な体躯の持ち主だ。

 キックスは、車体剛性を高めたプラットフォームを採用したことにより、優れた安定性と操縦性を実現した。また、カテゴリートップクラスの最小回転半径を実現し、入り組んだ路地や狭い駐車場においても、抜群の取り回し性を獲得したという。

 新型キックスは、「e-POWER」のモーター出力をこれまでのノートやセレナ比で約20%向上(最高出力129ps、最大トルク260Nm)させ、中高速域の力強さを高め、高速での追い越しや合流、ワインディング走行など、幅広いシーンにおいてパワフルでキビキビした走りを実現した。さらに、発電用エンジンの作動タイミングの制御を最適化することで、エンジンの作動頻度を減らし、高い静粛性を実現した。気になる燃費は、WLTCモードで21.6km/リッターと発表されている。

 新型は、カテゴリートップクラスのフロントウィンドウ見開き角と低いウエストラインにより、運転席は開放感ある視界を実現。後席は、ニールームが600mm、ヘッドルームも85mmを確保し、大人でも充分くつろげる広い室内空間とした。ラゲッジルームもトップクラスの423リッターとMサイズのスーツケースを4個積載できる。後席シートはレバー操作で簡単に倒せる可倒式、シーンに応じてアレンジして荷室を広げることができる。

 高速道路におけるドライブの「長距離運転」と「渋滞」という2大ストレスを軽減する運転支援技術「プロパイロット」を全車標準装備したのも大きな特徴だ。ミリ波レーダーの採用によって、より遠くの先行車の状況を検知し、スムーズな制御でドライバーをアシストする。加えて、もしもの事故の際の自動通報はもちろん、あおり運転や急病などの緊急事態にも手動で通報できる「SOSコール」も全車標準装備した。

 また、前方の状況を監視し、車両や歩行者との衝突回避・衝突による被害軽減を支援する「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や「踏み間違い衝突防止アシスト」などを標準装備し、全車「セーフティ・サポートカーS“ワイド”」に該当する。(編集担当:吉田恒)