辺野古以外を官邸主導で 鳩山発言が波紋

2011年12月07日 11:00

 元総理の鳩山由紀夫民主党最高顧問が米軍普天間飛行場の移設先について5日の講演で「名護市辺野古以外のところがないとは思わない。官邸主導で探す努力を続ける必要がある」と語ったことが6日開かれた参議院外交防衛委員会で取り上げられ、質問した佐藤正久議員(自民党)は「(辺野古への代替施設建設に向けた)環境影響評価書を出す直前に民主党最高顧問の鳩山さんのこうした発言をどう思うか。鳩山さんを呼びつけて厳しく指導すべきだ」と藤村修官房長官を追及した。

 藤村官房長官は「民主党の最高顧問とはいえ、議員ひとりの発言なのでいちいち私の方からコメントさせて頂きません」と答弁した。しかし、元総理の発言であることから、一議員の発言ですまされない、沖縄県民に対しても、日米合意推進の上でも新たな迷走を招きかねない可能性もある。

 佐藤議員は「鳩山さんは(政府の方針と)違うことを言う。沖縄選出の民主党議員は辺野古反対という。沖縄の民主党県連も反対という。かたや、野田政権は辺野古という。環境影響評価書を出そうとする。一川防衛大臣は責任をとろうとしない。こんな状況で環境影響評価書を沖縄に押し付ける。いい加減にしてくれ。民主党の中がぐちゃぐちゃだ」と迷走する民主党内の対応を厳しく批判。「政府・与党として(方針を)かためろ」と厳しく質した。

 藤村官房長官は「環境影響評価書は年内にも提出できるよう準備を進めており、沖縄のご理解を求めながら法令に則って適切に進めていきたいと思う」と答弁した。また、沖縄選出の議員は政府の立場で様々な相談にのっているとして、政府・与党で方針をかためることについては、やっていかなければと思っているとの旨を答えた。佐藤議員は「やるのは当たり前だ」と政府・民主党内の意思統一のなさに半ば厭きれた様子だった。(編集担当:福角忠夫)