「短納期発注でも売上確保を考えると受注せざるを得ない」。中小企業への「しわ寄せ」課題。中小企業の働き方改革推進課題が下請Gメンのヒアリングで浮き彫りになった。
政府の「中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ」の会合(6月30日開催)で示された資料によると、工作機械の事業所では今年4月の聴取に「新型コロナウイルス感染症の影響で景気が悪化している中、短納期発注であっても売上を確保することを考え受注せざるを得ない。自社の働き方改革は困難な状況」と答えたという。
また電機・情報通信機器の事業所は6月の聴取に「親事業者の在宅勤務等の影響で発注がギリギリになるケースがあるため、短納期が増えている」とし「今後も親事業者の在宅勤務が続く場合、当社の働き方改革への対応に懸念がある」と語ったとしている。
運送事業者では「最終ユーザーの運送業者から、当社製品のパソコン用梱包材の生産増と土日出勤してでも納期を短縮するよう強圧的に要請された」としわ寄せがもろに出ているとする。
厚労省では働き方改革関連法の施行に伴う「しわ寄せ」事案や新型コロナウイルス感染症の影響から長時間労働等につながる事案に対して関係省庁連携し、経営トップや取引担当者など各層への働きかけ等を通じて「しわ寄せ」防止徹底へ、適切な指導を行うよう要請した、としている。(編集担当:森高龍二)