自民ら8政党に計約80億円の政党助成金を交付

2020年07月21日 07:01

 企業、団体献金を禁止する代わりに、国民一人当たり250円の算定で総人口を乗じて総額(今年度は約320億円)を決め、国会議員数や衆参の選挙での得票数などにより、申請があった政党に助成金を交付する「政党助成金」の7月分交付が20日実施され、8政党で総額約80億円が支給された。

 内訳では自民党に43億1534万円。立憲民主党に10億7255万円。国民民主党に11億6209万円。公明党に7億5733万円。日本維新の会に4億6327万円。社会民主党に9069万円。NHKから国民を守る党に4187万円。れいわ新選組に4025万円。

 総務省によると「政党は、政党交付金(政党助成金)が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものとするとともに、国民の信頼にもとることのないよう、政党交付金を適切に使用しなければならない」。

 また「政党交付金の使途の適正については、使途の報告を通じて広く国民の前に明らかにして、国民の批判と監視の下に置くことにより、これを図ることとされている」としている。

 先の参院選挙を巡り公職選挙法違反(買収など)で東京地検特捜部に逮捕、起訴された河井案里被告(参院議員)と夫の克行被告(衆院議員、前法務大臣)に、参院選挙直前に自民党本部から贈られた1億5000万円の選挙資金のうち1億2000万円は政党交付金から捻出されたとされている。しかし、自民党は使途に対する内容を20日現在も説明していない。党としての説明責任が強く求められている。

 一方、日本共産党は受給資格を有しているが、政党交付金が支持もしない政党に強制献金させられている性格を有することから「思想・信条の自由」を踏みにじる憲法違反の制度であるとし、制度創設時から一切、受け取っていない。また使途について制限がかかっていないことも問題だとして、政党助成金制度の廃止を求めている。

企業・団体献金の禁止の実効性確保とともに、政党助成金制度の在り方についても検証する時期を迎えているといえよう。(編集担当:森高龍二)