国保料高負担に対応できず245万世帯が滞納

2020年07月29日 06:06

 自営業者や農業、漁業、職場の健康保険に加入できていないパート、アルバイト、退職者や学生などで構成される「国民健康保険」の2018年度分の財政状況が28日までに公表された。

 加入者は2752万人と前年度に比べ119万人減少した。国保料(税)の収納率は前年度より0.4ポイント上昇し92.85%になっていた。

 国保料(税)が協会けんぽに比べても高すぎ、負担が重すぎるとの批判が相次いでいるが、その状況を映し出すように国保料が払えず滞納した世帯は加入世帯数(約1787万世帯)の約14%に上る245万世帯に上った。

 滞納により正規の国保証を取り上げられ「短期被保険者証」にされた世帯が約62万世帯、受診時に一旦、医療費全額を負担しなくてはならない「資格証明書」交付世帯が約15万世帯になっていた。滞納世帯比率が最も高かったのは東京都の22.3%、福島県と神奈川県の16.3%だった。また全国で35万6000世帯が差し押さえ処分を受けていた。

 高すぎる国保料については制度そのものの欠陥の見直しを求める声が相次いでいるが、2020年度については、コロナ禍で事業収入などが前年度に比べ3割以上減少している場合、申請により国保料(税)が減免されることになっている。ただし、この場合も、市区町村に申請減免条例が定められている場合に限られるため、定められていないところでは条例制定が必要になる。なお今回減免分は国が負担する。(編集担当:森高龍二)