国民民主党の玉木雄一郎代表は11日、緊急記者会見し、立憲民主党との合流をめぐる案件で「党として合流条件に基本的に合意する」と語った。そのうえで、玉木代表は立憲との合流を希望する議員とそうでない議員が存在するとし、事を前に進めるために国民民主党を一旦、解党し、立憲との合流を希望する議員で構成する「新党」を立ち上げ、この新党と立憲が合流する。一方、合流できないとする議員で法的には新党として「国民民主党」を立ち上げ、自身はこの新党に身を置く考えを述べた。
玉木代表は「(両党幹事長間で進めてきた)これまでの合流条件で合流したいという仲間(議員)が一定数いる。一方で、政策一致がなければ合流できないという仲間(議員)も一定数いる。国民民主党は政策提案を積極提案してきた自負がある。だから基本政策の一致をしなければ合流できないとの声も少なくなかった。私自身、政策の一致に関して譲れない。政策一致がなければ思い切った改革はできないと思っている。消費税減税などでも一致できなかった」と語った。
そのうえで「合流すべきと考える仲間と合流できないと考える仲間が円満に前に事を進める道は『分党するしかない』との結論に至った。協議を長引かせないためにも、これまでにまとめてくれた合流条件を党として受け入れる」と述べた。
そして、事を前に進めるために「国民民主党は一旦、解党し、立憲民主党と合流を希望する議員からなる政党と合流に加わらず国民民主党に残る議員で構成する新党『国民民主党』に分党する。この方を、両院議員総会を経て了承を得たい。早ければ来週にも」と述べた。
もともと、国民民主党には前原誠司衆院議員ら安保法制で立憲民主党と相いれない立ち位置にいる議員が複数いる。前原議員らは自民党の中谷元・元防衛大臣らと安保に関する勉強会に同席し、日本維新の会の議員らとは地方分権の勉強会を立ち上げるなど、自民、維新に近い存在。国民民主党の「分党」以外に、立憲との合流実現は見えてこず、政治を現実に進めるためには、玉木代表の選択に他の選択肢はなかったと思われる。玉木氏の英断を評したい。(編集担当:森高龍二)