閣僚の靖国参拝「公私峻別に一貫性を」

2020年08月18日 06:21

 終戦記念日にさきの侵略戦争を主導したA級戦犯を合祀している靖国神社に高市早苗総務大臣、衛藤晟一沖縄・北方担当相、萩生田光一文部科学大臣と小泉進次郎環境大臣が参拝し、高市、衛藤、萩生田各氏は大臣の肩書を記帳したという。

 参拝肩書に「大臣」などと記帳していることに、公私の峻別に一貫性を持たせるべき、と指摘する声も出ている。

 高市大臣は終戦記念日前の記者会見で記者団に15日の参拝予定の有無を聞かれ「この場は総務大臣としての会見の場なので、個人的なスケジュールについては答えを差し控えさせていただきます」とし、参拝は「個人的なスケジュール」としていた。しかし、参拝時に「総務大臣」との肩書を記帳。個人としての参拝を逸脱していた。

 閣僚による靖国神社参拝に関しては韓国、中国が同神社に「A級戦犯」を合祀していることから強く抗議している。さきの侵略戦争に対して反省があるなら、合祀されている間、閣僚は参拝を避けるべき、というのが戦争被害国への外交的配慮との意見や政教分離の観点から閣僚の靖国参拝はどうか、との意見もある。

 閣僚参拝への中国、韓国などの抗議には「中国や韓国から言われることではない」(衛藤大臣)「外交問題にしてはいけない」(高市大臣)などと反論するが、反論が正当化されるのはA級戦犯を分祀して後の話といえよう。(編集担当:森高龍二)