7月からの新型コロナ感染症の感染拡大も8月に入りピークアウトしたという対策分科会の認識も示され、今のところ日本では感染症それ自体の被害は諸外国に比べ低く抑えられているようだ。一方、4-6月期のGDPは年率換算27.8%のマイナスと経済への打撃は極めて大きくなっている。未だ感染終息の目途は立たず、国民の自粛ムードは払拭されず今後も消費マインドは冷えたままで推移しそうだ。
18日に東京商工リサーチが「新型コロナウイルスに関するアンケート」の結果を公表している。この調査は7月28日から8月11日に実施され1万3722社から有効回答を得たものだ。
「新型コロナによる企業活動への影響は出ているか」との質問に対しては、「影響が継続している」と答えた企業の割合は78.0%と約8割に達している。「現時点では影響は出ていないが、今後出る可能性がある」と答えた企業は17.4%存在し、ほとんどの企業が未だ新型コロナの影響下にあるようだ。
「影響が継続している」と回答した企業にその内容を複数回答で聞いた結果では、「売上減少」が78.3%でトップになっている。「7月の売上は前年同月を100とすると、どの程度か」と聞いた結果では、「100以上」の増収は18.2%にとどまり、81.8%が減収となっている。2月からの減収企業率の推移を見ると、2月が67.7%、3月74.9%、4月83.7%、5月87.4%、6月81.6%、7月81.8%と推移しており、4月から4カ月連続で8割台が続いている。
「コロナ禍の収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性はあるか」との問いに対しては、「ある」と答えた企業の割合は7.3%となっている。これを資本金規模別に見ると、資本金1億円以上の大企業では1.1%であるのに対して、資本金1億円未満の中小企業では8.5%と1割近くにまで達している。「廃業の検討はいつごろか」という質問に対しては、「1年以内」は44.7%で、規模別には大企業が40.0%、中小企業が44.9%となっている。
レポートでは「平成28年経済センサス-活動調査に基づく中小企業数は357万8176社(個人企業含む)で、単純計算で30万社を超える中小企業が廃業を検討していることになる。感染防止と経済活動の維持の狭間で、中小企業の苦境が浮き彫りになった。」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)