新型コロナ感染拡大。上場企業、先行き不透明。下方修正を発表する企業が後を絶たない

2020年08月18日 06:25

画・新型コロナ感染拡大。上場企業、先行き不透明。下方修正を発表する企業が後を絶たない。

帝国データバンクが新型コロナウイルスの影響による上場企業の業績修正動向調査

 新型コロナ感染症に関する緊急事態宣言、外出自粛、休業要請の経済に対する後遺症は続いている。宣言解除後も新型コロナ関連倒産は増加し続け、東京商工リサーチの調査によれば負債額1000万円以上のものだけでも新型コロナ関連倒産の件数は6月単月のみで100件を超え、8月6日には累積400件を超えたことが確認された。これ以外の零細倒産や法的手続きのない廃業も含めれば新型コロナによる経営破綻はさらに大きなものとなっていると想像できる。7月に入り感染者数も再び増大傾向で第二波の到来も懸念されており経営をめぐる不透明感はさらに増大してきている。

 5日、帝国データバンクが7月31日時点における「新型コロナウイルスの影響による上場企業の業績修正動向調査」レポートを公表した。7月以降の感染者増大の中、第二波への懸念が広がり、先行き不透明感が増大する中、今後経済活動へのさらなる悪影響が予想され、業績予想の下方修正を発表する上場企業が後を絶たない状況のようだ。

 レポートによれば「新型コロナウイルス」の影響を受けたとして業績予想の下方修正(連結、非連結)を発表した上場企業は7月31日までに累計935社となった。これまでの経緯を見ると2月が48社、3月89社、緊急事態宣言の発令された4月は216社と急増し、5月には369社と単月で最高を記録し、6月は121社、7月92社となっている。

 935社が下方修正をおこなったことで減少した売上高の合計は約7兆3171億7800万円にのぼる。業種別に見ると製造業が最多で288社、修正額合計も3兆5869億9300万円に上り全体の49.0%と半分を占めている。次いで多いのは飲食業や宿泊業を含むサービス業の181社で修正額は3026億7100万円となっている。持株会社を含むその他が17社、修正額合計は2兆2356億1300万円と金額的には全体の30.6%を占め大きくなっている。卸売業が119社で修正額合計は3512億6300万円、小売業が100社で4014億6900万円と続いている。

 レポートでは「新型コロナウイルス感染拡大に収束のメドがたたないなかで、全国で関連倒産が400件に達したほか、事業停止や休廃業の選択を迫られるケースが増えることも予想される」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)