衆議院106議席、参議院43議席を有する「立憲民主党」が15日誕生する。政権奪取へスタート基盤ができた。最短10月25日投開票での総選挙を想定し、新党は(1)政権を担った時の国民への公約(政策)提示(2)小選挙区の野党候補一本化(3)日本共産党との選挙協力への全面的な取り付け、この3点に早急にかかることが必須。「新自由主義的社会から支え合う社会へ」の転換を実現するには、コロナ対策と並行し全力疾走が必要だ。
小選挙区で自公候補を超えるには「共産党の協力なしには勝てない」(小沢一郎元自民幹事長)。公明の協力なしに自民候補が自力勝利できない選挙区の多いのと同様。次期衆院選挙は「官房長官経験者同士」の政権争いになるもよう。
枝野代表は立憲民主党代表に選出されてのあいさつで「臨時国会が首班指名だけで、衆院解散をするなら正面から受け止め、国民の皆さんの選択肢になろうではないか」と全議員に呼びかけた。記者会見では「最大野党の役割は、総選挙で政権選択肢になることと行政の監視」と断言した。そのうえで「次の総選挙で国民に政権として選んで頂くべく、最大限の努力をする」と。
また「官房長官を経験させていただいたことは、総理をめざすうえで、大変得難い経験をさせていただいたと思っている。その経験をどう生かせばよいのか9年、準備する時間があった」と政権運営にも自信をのぞかせた。
15日誕生する「立憲民主党」がめざす社会はすでに党綱領に謳われている。「立憲主義と熟議を重んずる民主政治を守り育て、人間の命とくらしを守る」ことを基本理念として「自由と多様性を尊重し、支え合い、人間が基軸となる共生社会を創り、国際協調をめざし、未来への責任を果たす」こととある。
この理念の上に、政権政党としての公約をどう反映させ、具体に分かりやすく国民に示すのか、その責任がある。
枝野代表は代表選候補者としての所信あいさつで「自助や過度な自己責任をおしつける新自由主義的な社会を変え、ベーシックサービスを質量ともに充実させる」と語った。
「再分配機能を取り戻し、命と暮らしを守る支え合う社会をつくっていこう」と呼びかけた。安倍政権で破壊された「公文書管理を徹底し、情報公開を進め、立憲主義を取り戻し、疲弊している公的サービスの現場力を取り戻し、信頼され、機能する政府をつくる」。
安全保障政策では「日米同盟を基軸にASEAN(東南アジア諸国連合)やオーストラリア、ニュージーランドといった国々と政治や安全保障の面でも関係を深め」奥行きのある安全保障を展開するとの考えを示した。
枝野代表は大きなかたまりになったことに国民が期待を寄せないことを自覚していた。そして「政策・中身」で自公政権に代わる選択肢になる自信をみせた。「多くの暮らしの現場の声を受け止め、それを現実に変えていく。そのために全力を挙げ前に進んでいく」「ここからが新しいスタートだ」と。その一歩は「総選挙」に勝つことだろう。
世論調査で7~8割が納得していない『森友問題』、公文書改ざんの真相は、近畿財務局職員の自殺を招いた真相を求める再調査は。税金で催された桜をみる会と安倍総理後援会主催の前夜祭疑惑は。安倍政権7年8か月の『負の遺産』に対する国民のもやもやは政権交代が実現すれば確実に真相に向け動きだすだろう。
おそらく、官房長官経験者がいずれも代表の自民党と立憲民主党が周囲を巻き込んで戦う「総選挙」になるだろうが、早ければ10月、最長でも1年以内の選挙に国民がワクワクしながら投票できる、そういう選挙にしていただきたい。(編集担当:森高龍二)