敵基地攻撃能力の検討事態「とんでもない」領域

2020年09月30日 06:43

 岸信夫防衛大臣はミサイル防衛のための陸上配備型迎撃ミサイル防衛システム「イージス・アショア」の代替案について「イージス・アショア構成品(発射装置とレーダー)を洋上のプラットフォームに搭載する方式で、引き続き、米政府や日米の民間事業者も交え、技術的実現性、搭載機能、コスト等について詳細に検討を進める」考えを29日までの記者会見で明らかにし「今年末までに方策を示し、速やかに実行に移す」と表明。

 当面、ミサイル防衛に関してはイージス・アショア代替案により「専守防衛」域内に落ち着きそうだが、一方で、岸大臣は5年毎の防衛大綱改正に自民党が示した事実上の「敵基地攻撃能力保有」について反映させる考えなのかどうかに関しては「わが国の防衛力はどうあるべきか、ミサイル阻止能力を含めて、しっかり検討していかなければいけない」と語り「これはまた、これからの事です」と除外しなかった。

 岸大臣は「憲法の範囲内、そして国際法を遵守しつつ、専守防衛の考え方の下で、厳しい安全保障環境においてわが国の平和と安全を守り抜く方策について検討を進めている」と述べたが、イージス・アショア代替案が出され、具体化に向かう以上、「専守防衛」を逸脱する「敵基地攻撃能力」は検討対象にもすべきでない。

 日本共産党の田村智子政策委員長は敵基地攻撃能力保有議論について、9月27日のNHK日曜討論で「専守防衛どころか先制攻撃になりかねない。とんでもない。憲法違反だ」と議論そのものがとんでもない領域のものである旨を指摘した。(編集担当:森高龍二)