菅義偉総理が9日の内閣記者会インタビューで日本学術会議会員候補推薦の105人の候補者名簿(推薦書)は「見ていない」、自身が決裁するときには6人の名前はすでになく「99人だった」と記者団に答えたが、立憲民主党の蓮舫参院議員が10日のツイッターに総理に決裁を求める起案書のコピーを添付。そこには99人の名前しかなかった。
蓮舫氏は「推薦会員の任命発令は9月24日に起案」され「起案書では、すでに6人が削除され、99人となって総理の決裁」になっている。なぜ、そうなったのか、明確にするよう提起。
また「野党合同ヒアリングで担当者に何度も確認したものの、日本学術会議が名簿を提出した8月31日から総理決裁を求めて起案した9月24日の間に、誰が、何の理由で、何を根拠に6名を削除したのか。答えはなかった」としている。そのうえで「総合的、俯瞰的では説明にならない」と国民が理解できる説明を行うよう求めた。
自民党の石破茂元幹事長は、この問題が取り上げられることとなった当初から「日本学術会議は文部科学省ではなく内閣府の所管ですから、その担当大臣がいます。組織のルールとして、いきなり総理大臣が任命を拒否するとは考えられず、内閣府の担当大臣の承認を経て総理に上がると考えるのが自然ですが、今回どういう手続きを踏まれたのかも明確にしておいた方がいいのではないでしょうか」と経緯の説明を国民にすべきことを今月2日のブログに書いていた。政府は経緯を国民に説明するとともに、「学問の自由」を侵害するものではないとするなら、疑義を払しょくする意味からも、総理は6人を追加任命すべきだ。(編集担当:森高龍二)