加藤勝信官房長官は26日の記者会見で「核兵器禁止条約」が来年1月に発効されることを受けて、唯一被爆国の日本が条約に署名、批准しない姿勢について記者団の問いに「核廃絶というゴールは共有しているが、地道に、現実的に核軍縮を前進させる道筋を追及していくことが適切だ」などと、政府として署名しない考えを述べた。
政府はアメリカの核の傘の下で安全保障を担保しながら、核保有国のアメリカ、中国、フランス、イギリス、ロシアなどと非保有国との橋渡しを進める役割を担うとのこれまでの政府の考えを強調した。
アメリカは核兵器保有について、核と非核兵器への抑止や同盟国・パートナーに対する保証などをあげ、正当化している。またアメリカは「核兵器先制不使用政策」は採用していない。日米同盟強化の中で日本として先制不使用を担保させない姿勢には疑問の声もある。
立憲民主党の枝野幸男代表は「核兵器廃絶の動きが新たな段階に入ったことを理解し、政府は日本が一日も早く批准できるよう積極的に取り組んでいくべきだ」とのコメントを発表している。(編集担当:森高龍二)