真理探究へ為政者介入断乎反対と成長の家も抗議

2020年10月29日 05:43

 日本学術会議の推薦者リストから6人に対し会員任命拒否を行った菅義偉総理の行為に対し、学術界のみでなく、宗教界からも『真理探究への政治介入』だとして「生長の家は、真理探究への為政者の介入に断乎反対します」との声明を28日までに発出した。

 生長の家は宗教法人であるとしたうえで「真理を追究し、真理を現実世界にもたらすことで、人類と地球社会とを『より善なる方向』へ近づけるという目的では、科学と変わらないと考える」としている。

 そのうえで「かつての宗教と政治が未分化の時代には、科学者が発見した真理が、宗教の教えと矛盾するという理由で、“宗教政治”によって真理が歪められたという苦い歴史を人類は共有しています。21世紀の今日でも、一部の国では、科学的真理を認めない政治家によって国政が歪められ、多くの国民が犠牲になるという残念な例が散見されます」と指摘。

 また「科学的真理を認めない宗教があることも事実。しかし、その中にあっても、20世紀に多くの悲惨な戦争から学んだはずの日本が、再び国権によって真理探究の動向を操作しようという誤った方向に進むとしたら、私たちは声を上げて反対せざるを得ません」と政府に抗議。「今の時代、科学的真理の探究を操作しようとする政治が、宗教的真理の探究を尊重するなどということはあり得ないと考えるからです」と理由も説明している。

 生長の家は「現代の議会制民主主義下の内閣総理大臣には、公序良俗を侵す危険がないにもかかわらず、宗教や学問の営みを自分の好みの方向に操作する権限は与えられていません」と断言し、強く抗議の意思を示している。(編集担当:森高龍二)