政府委員も務める加藤氏を排除した杉田副長官

2020年11月06日 05:53

 立憲民主党の辻元きよみ衆院議員の4日の衆院予算委員会での菅義偉総理に対する質問で、日本学術会議の会員推薦候補105人のうち、菅総理が決裁前に、内閣人事局長も務める杉田和博官房副長官が加藤陽子東大教授(日本近代史)ら6人を任命しない方か良い旨を総理につたえるなど今回の問題に中心的に関与したことが鮮明になった。辻元氏は杉田氏を国会に招致するよう強く求めた。

今回任命しなかった6人のうちの1人、加藤東大教授について、菅総理は加藤氏が小泉政権から菅政権までの17年間、内閣府独立行政法人評価委員、内閣府公文書管理委員会委員など歴代内閣の8つの政府委員会委員を務めてきた人物であることも知らなかった。菅総理は「内閣で(委員を)お願いしているということは、私は知りませんでした」と辻元氏に答えた。政府で重用している人物を排除したのは、総理答弁からも「杉田官房副長官」であったことが明らかに。

辻元氏は「政府の委員は政府がやめておこう、といえばやめられるわけで、推薦がなくてもいいので、ハードルが低い。そっちでは今もお世話になっているのに、政府が見識や学識を頼って今も委員を務めていただいているこの方を、独立性の高い日本学術会議からの推薦からは会員にすることを外す。任命拒否の根拠が破綻しているとは言えませんか」と追及。杉田氏を国会招致するよう委員長に求めた。(編集担当:森高龍二)