日産自動車は同ブランドのコンパクトカー「NOTE(ノート)」をフルモデルチェンジして先行公開した。12月に正式発表、発売予定だとした。
日産の国内販売を支えるモデルは現状で、ミッドサイズSUVの「エクストレイル」、5ナンバーミニバンの「セレナ」、そして「ノート」のほぼ3車種だけだ。これらの3車種が無かったら、ここ数年の国内における日産車販売店の経営は立ち行かなかった。こうした意味もあり、3世代目となる今回発表の新型ノートは、日産として国内市場で絶対に失敗できないクルマなのだ。
初代ノートは2005年1月に誕生した。その後、多くのユーザーに支持されて進化を遂げ、これまで2世代・15年間で累計約146万台の販売を達成した。
2012年9月、2代目発売し、その4年後の2016年11月、シリーズ型ハイブリッドシステム、日産が云うところの電動パワートレイン「e-POWER」を日産車として初搭載し発売。100%電動駆動の力強い加速感と好レスポンス、優れた静粛性を実現した走りが評価され、2018年暦年の登録車販売台数No.1を獲得した。さらには、2017年から2019年のまでの3年連続で暦年国内コンパクトカー販売台数No.1を獲得するなどを記録。日産の稼ぎ頭、代表モデルとなった。
今回の3代目E13型ノートは、新たな日産ロゴを採用した初の市販車で、「新生日産」を代表するクルマだ。また、日産車の日本市場再構築のための屋台骨となるクルマでもあり、日産も相当な気合でつくりこんできたはずだ。
最大のポイントは、この新型ノートから採用される第2世代となる新「e-POWER」だ。第1世代e-POWERを大幅にブラッシュアップし、ユニット全体を小型化軽量化しながら、モーターの最大トルクを10%以上アップ(254Nm→280Nm)、最高出力を6%アップさせ(80kW→85kW)、発進加速で旧e-POWERを凌ぐレスポンスと、力強さを実現したという。同時に、WLTCモード燃費も29.5km/リッターを達成した。
新型「ノート」のデザインは、新世代に移行する日産デザインのキーワード「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」を具現化したという。今年7月、ワールドプレミアした日産初のクロスオーバーEV「日産アリア」と一貫性を持った新型「ノート」のデザインは、コンパクトカーの常識にとらわれることなく、新しい価値観を訴求し、電動化の時代を感じさせるデザインとした、と説明する。ボディサイズは全長×全幅×全高4045×1695×1520mm、ホイールベース2580mmだ。今回発表となった前輪駆動モデルの価格は202.95万円から218.68万円だ。
なお、前後アクスルに備えた2つの強力なモーターで4輪を駆動する、本格電動4WDモデルも、追って12月に発表する予定だという。(編集担当:吉田恒)