残業時間入力できず定時退社? 労働相談

2020年12月09日 06:40

 厚労省は11月1日に実施した「長時間労働・過重労働相談ダイヤル」受付件数を7日公表。162件の相談があり、長時間労働・過重労働が30件と全体の18.5%を占めた。次いで賃金不払い残業が26件で相談件数の16%。賃金不払いが18件で11.1%などだった。

 相談者を受け、労基法に問題の事案に関して相談者の意向を踏まえて露同基準監督署に情報提供するとともに、相談者に対して労働基準法や関係法令の規定や解釈について説明したとしている。162件のうち、106件が労働者本人から、21件は労働者の家族からの相談だった。

 相談の中には毎月80時間ほどの残業をしているという保健衛生業の40代の営業担当社員から「会社から取引先への移動時間は私用扱いで賃金が支払われない。勤怠管理システムに不具合があり、残業時間を入力することができないため、毎日定時に業務終了と記録される」という記録上の残業隠しともいえるものや、製造業の作業員からは「36協定は締結されているが、会社が指名した者が労働者代表としてサインし、 適正に締結されていない。残業時間は45分以上でないと承認されないため、残業代が適正に支払われていない」などの相談が寄せられていたという。

 厚労省ではフリーダイヤル(0120-811―610)で労働条件での悩みや不安、疑問の相談を受け付けている。年末年始(12月29日~1月3日)を除く平日(午後5時から10時)と土曜・日曜・祝日の午前9時から午後9時まで。匿名での相談も可能。言語は日本語のほか英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、タガログ語、ベトナム語、ミャンマー語、ネパール語、韓国語、タイ語、インドネシア語、カンボジア語(クメール語)及びモンゴル語に対応している。(編集担当:森高龍二)