成長戦略中間報告に労働裁量性拡充も入りそう

2020年10月20日 06:56

 菅義偉総理は成長戦略の具体化に向けた中間報告を年末までに取りまとめるよう第1回成長戦略会議で指示した。成長戦略会議には労働界からの有識者がいないためバランス上、問題もある。成長戦略中間報告に「裁量労働制の拡充・普及、社員能力に着目した賃金制度」など経団連の求める労働政策が色濃く反映されることも予想される。

 成長戦略会議は加藤勝信官房長官を議長に、関係閣僚とパソナ会長の竹中平蔵氏や三井住友ファイナンシャルグループ会長の国部毅氏、ディー・エヌ・エー会長の南場智子氏、日本商工会議所会頭の三村明夫氏ら8人を有識者に加え構成する。

 竹中パソナ会長は「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのかおかしい」などと(東京新聞インタビュー、2018年6月21日)述べ、高度プロフェッショナル制度の導入を提言。最近では国民全員に1人月7万円支給するベーシックインカムを提案、7万円なら財政的に大きな負担にならないとの持論で、社会保障給付の減で行政コストの大幅削減にもなるなどの考えを示し、新自由主義的とみられる視点から議論提起をしている。

 菅総理は16日の会合で「生産性の向上、労働移動の円滑化、強靱なサプライチェーンの構築、新しい働き方の実現、足腰の強い中小企業の構築、バーチャル株主総会の実現などビジネス上のイノベーションの推進、グリーン成長というこのエネルギー・環境政策の再構築などを議論いただきたい」と語った。(編集担当:森高龍二)