子どもたちに「公助・共助」の手厚い支援が必要

2021年01月10日 08:13

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今回の緊急事態宣言発効に一点だけ救われたのが「幼・小・中・高」の一斉休校を実施しなかったことだ

 新型コロナウイルス感染症「新規感染者数」が8日は全国で7882人と最多を更新し、感染者数は8日現在5万4930人、累計で27万人を超えた。死者も9日に20人を超え、累計では4000人を超える事態になった。

 個々が感染防止に最大の注意を払い、不要不急の外出を控え、3密を避け、こまめに手指消毒をし、マスク着用のエチケットを徹底するなど、コロナが収束に向かうまで互いに協力し合うことに徹底することが求められている。

 新規感染者数が最多を更新する傾向が続く中で、東京都と都に隣接する千葉、埼玉、神奈川に対して「緊急事態宣言」が8日発効された。2月7日迄の期間としているが、この1か月こそ、収束への実効性が問われる。大阪や兵庫、京都も知事らが緊急事態宣言の対象にするよう政府に要請する事態になっている。

 ただ今回の緊急事態宣言発効に一点だけ救われたのが「幼・小・中・高」の一斉休校を実施しなかったことだ。

 特に幼・小・中学が休校になれば学校給食サービスも止まる。貧困家庭では学校給食でかろうじて栄養を確保する児童生徒も存在する。学校が休校になり自宅学習になれば学習面でも教育格差の拡大が続くことになりかねない。

 家庭環境によって「こどもの貧困格差」が拡大する状況だが、子どもたちに「責任」はない。また子どもたちには選挙権もない。だから、政府・与党議員には求められるまでもなく、子どもたちの「生存権」と「学習権」を保障する『手厚い支援』が強く求められていることを特に認識いただきたい。

 また貧困によるストレスが家庭内での児童虐待につながることもある。そのため児童虐待にはこれまで以上に目を向ける必要がある。文部科学事務次官だった前川喜平氏は児童虐待問題について、最初の緊急事態宣言時に児童相談所への相談件数が減少した背景に虐待が減少したのではなく、休校のため学校からの通報が減ったことや病院に虐待を発見する機会が減り、病院からの通報が減ったためだとの見方を示した。表面的な件数でなく、今は裏側をフォローする必要がある。

 少なくとも、子どもたちには「公助・共助」のみが必要だ。そのことを念頭に、野党の提案にも耳を傾け、手厚い支援策を考えるべき。またボランティア団体などが展開している「こども食堂」や「学習支援活動」に対して行政サイドから支援できることを考えていただきたい。(編集担当:森高龍二)