没頭型学習のディバイスを提供するPCメーカーのレノボが、ビデオゲームと課題遂行能力の向上に正の相関が認められるというレポートを発表した。
近年、ビデオゲームはeスポーツとも呼ばれ人気がさらに高まっている。日本でのゲームへの関心も高まりを見せており、新型コロナウィルスの影響で、密を避ける屋内アミューズメントとしてもeスポーツが注目されているようだ。若年層の「なりたい職業ランキング」でも「ゲーム制作関連」や「eスポーツプレイヤー」が上位にランクインするなどゲームの存在感が高まっている。
レノボ・ジャパンは、ゲームを活用したより豊かなウェルネスライフが創出できるというコンセプトで、2020年2月に九州産業大学萩原悟一准教授、鹿屋体育大学竹下俊一教授の監修のもと、ゲームエイジ総研、産経デジタル、日本ユニシス、ヒューマンアカデミーとともにゲーム・ウェルネス・プロジェクトを設立、ゲームプレイ時のパフォーマンスを様々なアプローチで検証し可視化する取り組みをはじめた。
1月26日、レノボはその検証結果の一部を公表した。検証結果の主なものは、「ゲームをプレイすると”課題遂行能力”が向上する」、「継続的なゲームプレイにより、日常における課題遂行能力が向上する可能性がある」などだ。
今回の検証ではeスポーツタイトル(FPS系)のプレイが「課題遂行能力」に与える影響を「TMT(トレイルメイキングテスト)」といわれるテストで検証された。TMTとは、例えば平面上にランダムに並べられた数字を順番どおりにトレースする作業記憶に関連する認知テストなどである。
検証の結果、プロのeスポーツ選手を対象にした場合、ゲームプレイ前に比べ、プレイ後のTMTの回答時間はAタイプというテストで39.33 秒から20.93 秒、Bタイプでは38.3秒から31.58 秒と、いずれも短縮した。アマチュアの学生においても同様にいずれも時間が短縮する結果となり、ゲームプレイにより課題遂行能力が向上したことを示した。
このことは、継続的かつ長期にゲームをプレイしていくことで、ゲームプレイのパフォーマンス向上だけではなく、ゲームプレイ以外の日頃の生活の様々なシーンでの課題遂行能力が向上する可能性を示している。
レノボは「ゲームのパフォーマンス向上だけではなく、日頃の生活での生産性の向上や教育分野等、幅広い領域への応用を具体化しながらゲームのすそ野を広げていきたい」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)